
「構図プロンプト一覧」はいくらでも見つかります。144個並べているところもあります。ですが、そこに並んでいる語が本当に効くのかを確かめた記事は見当たりませんでした。
そこで16語を選び、同じキャラクター・同じ乱数の種で186枚を出して測りました。結果は、構図が実際に変わったのは6語だけ。残りの語では、その語を書かなかったときとほとんど同じ絵が出てきます。
とくにはっきりしたのが同義語として並べられている語です。from below は効きますが、low angle も worm's eye view も効きません。意味は同じでも、結果はまったく違いました。
なぜ差が出るのかも調べました。効いた語と効かない語で、学習元によく使われるタグの枚数が680倍違いました。この記事では、16語それぞれの判定と、その理由の見当を実物の画像つきでまとめます。
当サイトの特徴
生成AIに詳しくない初心者でも理解しやすいように、図解を用いた丁寧な解説を徹底!
難しい専門用語や基礎知識を知らなくても、簡単に生成AIやAIツールが使えるサイト構成となっています。
【生成AIの専門チームが監修】実証実験を用いた信頼性の高い情報を発信

AIオタクLABOは、プロフェッショナルチームによる生成AIの専門メディアです。
常時200個以上の有料/無料で使える生成AIをテストし、実際に使用可否を検証。
実証実験をもとにした的確なデータを参考にし、記事作成を行なっています。
●AIオタクLABOの信頼性
|
生成AIの検証に費やした時間 |
9,760時間+ |
|
これまでに検証したAIツールの数 |
240個+ |
|
AIを使用して作成した画像の枚数 |
24,200枚+ |
|
生成AIツールのセキュリティ検証の回数 |
2,200回+ |
※最終データ更新:2026年9月
※上記画像はCanva AIとAnime Geniusで制作
16語のうち、構図が変わったのは6語だった
先に結論を出します。試した16語のうち、3つの種すべてで構図が指定どおりに変わったのは6語だけでした。「効かない」と判定した語のほうが多い結果です。
何をどう測ったか
| 決めたこと | 中身 |
|---|---|
| 固定したもの | モデル・プロンプト本体・除外の語・大きさ・歩数・CFG・サンプラー |
| 変えたもの | 構図の語1つだけ。入れる位置も固定した |
| 乱数の種 | 3つ。1つの結果で断定しない |
| 枚数 | 186枚(背景ありで93枚、無地の背景で93枚) |
| 費用 | 合計 0.118ドル。1枚 0.00073728ドル |
| 判定 | 3つの種すべてで指定どおりになったものだけを「効いた」とした |
設定そのものがどう効くのかはStable Diffusionの設定はどれが効くのか!CFG・Steps・サンプラーを全部振って測った【2026年版】で別に調べています。この記事では設定を全部固定して、プロンプトの語だけを動かしました。
「絵が変わった」は、その語が効いた証拠にならない

最初に、判定の土台を作ります。ここを飛ばすと結論がひっくり返るからです。
同じ設定・同じ乱数の種で2回出しても、絵は完全には一致しません。この「ぶれ」より小さい変化は、何も起きていないのと同じです。まずその幅を測りました。
| 測ったもの | 同じ設定を2回出したときの差 |
|---|---|
| 変わった画素の割合 | 7.2%から23.7% |
| 明るさのずれ | 0.10から0.39(255段階) |
| 人物が画面を占める割合(無地の背景) | 0.010以下 |
最初の測り方は失敗した
はじめは「絵がどれだけ変わったか」で判定しようとしました。構図の語を足して、足さなかったときと画素を突き合わせる、という考え方です。
これは使えませんでした。効かないはずの語を対照として一緒に出したところ、こうなったからです。
| 足した語 | 変わった画素 | ぶれの幅を超えたか |
|---|---|---|
| full body(効くはず) | 82.8%から86.2% | 超えた |
| from below(効くはず) | 72.6%から85.9% | 超えた |
| zzz(意味のない語) | 53.9%から78.5% | 超えた |
| camera(単独では構図を指さない) | 69.8%から83.8% | 超えた |
| 読点を3つ足しただけ | 33.2%から58.8% | 超えた |
zzz を足しただけで、構図の語と同じくらい絵が動きました。プロンプトの文字が変われば、それだけで別の絵になります。変わったかどうかは、その語が構図を指定した証拠になりません。
判定の作り直し
- 測るのは「変わったか」ではなく「指定どおりになったか」に変えた
- 背景を無地にして、人物が画面のどこをどれだけ占めているかを見られるようにした
- そのうえで3つの種の画像を1枚ずつ拡大して、指定どおりの構図かを目で確かめた
- 効かないはずの語を4つ、最後まで一緒に出し続けた
上の図が対照の4語です。zzz も、日本語の「全身」も、camera も、読点だけも、3つの種すべてで基準と同じ距離・同じ角度でした。細かい絵柄は動いていますが、構図は動いていません。対照が正しく機能したので、以降の判定を信用できます。
この考え方は設定を振って測った記事でも使いました。あのときは「カッコの強調構文は効いていない」という結論が、対照を入れたことで初めて言い切れました。
距離を指す6語。効いたのは2語だけ

まず距離です。寄りから引きまで、一覧記事によく載っている6語を試しました。
| 語 | 期待される構図 | 3つの種で実際に出た構図 | 判定 |
|---|---|---|---|
| close-up | 顔のアップ | 基準とほぼ同じ。胸から上で止まる | 効かない |
| face focus | 顔に寄る | 基準とほぼ同じ | 効かない |
| upper body | 上半身 | やや寄るが基準との差が小さい | 弱く効いた |
| cowboy shot | 膝から上 | 3種とも太ももまで入る | 効いた |
| full body | 全身 | 3種とも足まで入る | 効いた |
| wide shot | 引きの画 | 基準とほぼ同じ。引かない | 効かない |
いちばん意外だったのがclose-upです。ほとんどの一覧記事に載っている語ですが、3つの種すべてで顔のアップになりませんでした。基準と同じ、胸から上の絵が出ます。
逆にfull body は3種とも足まで入りました。人物が画面を占める割合も、基準の0.61から0.87に対して、full body では明確に小さくなります。この語だけは、指定すれば必ず全身になると言えます。
寄りたいときは、外す語のほうが効く
寄りの語が効かないなら、どうすれば顔に寄れるのか。答えは反対側にあります。upper body を指定して、体の下側を画面から外すほうが確実です。
同じことは手の破綻を消すときにも使えました。設定を測った記事では、bad hands の類を9語並べても手は直らず、upper body にしたら3枚とも手が画面から消えました。語で直すより、構図で外すほうが早い場面があります。
「upper body なら手が消える」は条件付きだった
ここで1つ補足しておきます。設定を測った記事では、upper body にしたら3枚とも手が画面から消えたと書きました。手の破綻を避けるやり方としてです。
今回は消えませんでした。upper body を指定した3枚とも、手が画面に残っています。そして残った手は、3枚とも指の形があいまいでした。full body のほうも同じで、3枚とも手先がはっきりしません。
違いはプロンプトにあります。前回は upper body と一緒に「腕を後ろに回す」という指定を入れていました。今回は構図の語だけを変える実験なので、その指定を入れていません。
構図の語だけでは、手は画面から出ていかない。
手を外したいなら、ポーズの語を別に足す必要がある。
構図とポーズは別の指定です。upper body は「どこまで写すか」を決めるだけで、腕をどこに置くかまでは決めません。手の破綻を避けたいなら、両方書くことになります。
寄れないぶん、切り抜きで補う手もある
close-up が効かないことが分かった以上、寄りたいときの選択肢は限られます。upper body で少し寄せるか、出した絵を自分で切り抜くかです。
切り抜きは元の解像度が落ちるという欠点がありますが、512×768で出した絵の上半分を切っても、投稿サイトに上げるには十分な大きさが残ります。プロンプトで粘るより早く済む場面は多いはずです。
角度を指す6語。効いたのは4語

次は角度です。サジェストの上位に出てくる「下から」「斜め」「正面」がここに当たります。
| 語 | 期待される構図 | 3つの種で実際に出た構図 | 判定 |
|---|---|---|---|
| from below | 見上げる | 3種とも見上げ。脚が長く、天井が入る | 効いた |
| from above | 見下ろす | 3種とも見下ろし。顔が上を向く | 効いた |
| from side | 横から | 3種とも横向き | 効いた |
| from behind | 後ろから | 3種とも背中を向ける。いちばん確実 | 効いた |
| dutch angle | カメラを傾ける | 傾かない。基準とほぼ同じ | 効かない |
| from front | 正面から | 基準がもともと正面。変化を確かめられない | 判定できない |
角度は距離よりも通ります。from の付く4語はすべて効きました。とくに from behind は3種とも迷いなく背中を向けます。
効かなかったのはdutch angleです。画面を傾ける指定ですが、3種とも水平のままでした。この語だけは、あとで見るタグの枚数から見ても例外にあたります。
from front は「効かない」ではなく「確かめられない」
from front を効かない側に入れていないのには理由があります。構図の語を書かないときの基準が、もともと正面向きだからです。正面を指定して正面が出ても、効いたのか、たまたま同じだったのかを分けられません。
取れなかったものは、取れなかったと書きます。ここを「効かない」に混ぜると、後の集計が狂います。
同義語として並んでいる語は、ほとんど効かなかった

ここがこの記事でいちばん差の出た結果です。一覧記事は、同じ意味の語をまとめて並べています。「見上げ」なら from below、low angle、worm's eye view といった具合です。
実際に出してみると、同じようには効きませんでした。
| 意味 | 語 | 判定 |
|---|---|---|
| 見上げる | from below | 効いた |
| 見上げる | low angle | 効かない |
| 見上げる | worm's eye view | 効かない |
| 見下ろす | from above | 効いた |
| 見下ろす | high angle | 効かない |
| 見下ろす | bird's eye view | 効かない |
意味が同じでも、結果は正反対でした。from below と from above は3種とも指定どおりになり、low angle と high angle は3種とも基準のままです。
写真や映像の用語としては low angle のほうが一般的です。それでも通りませんでした。ここが、日本語の一覧記事をそのまま写して貼ったときに困るところです。
この結果の読み方
- 同義語を並べて書いても、効く語が1つ入っていなければ意味がない
- 逆に、効く語が1つ入っていれば残りは要らない
- 一覧に載っているからといって、そのモデルで通るとは限らない
- 試したのは SD 1.5 系のアニメ寄りモデル1本。別の系統では結果が変わりうる
なぜ差が出るのか。学習元のタグを数えた
from below は通るのに low angle は通らない。意味は同じなのに、なぜここまで違うのか。
手がかりを探すために、アニメ寄りのモデルが学習元としてよく使う画像投稿サイトのタグを数えました。そのタグが付いた画像が何枚あるかを、公開されている情報から取っています。
| プロンプトに書いた語 | タグ名 | タグの付いた枚数 | 実測の判定 |
|---|---|---|---|
| full body | full_body | 1,275,458 | 効いた |
| upper body | upper_body | 1,187,785 | 弱く効いた |
| cowboy shot | cowboy_shot | 848,299 | 効いた |
| from side | from_side | 335,536 | 効いた |
| from behind | from_behind | 328,384 | 効いた |
| dutch angle | dutch_angle | 162,686 | 効かない(例外) |
| from above | from_above | 145,453 | 効いた |
| from below | from_below | 119,149 | 効いた |
| close-up | close-up | 63,415 | 効かない |
| wide shot | wide_shot | 23,734 | 効かない |
| worm's eye view | worm's_eye_view | 493 | 効かない |
| face focus | タグが存在しない | 0 | 効かない |
| low angle | タグが存在しない | 0 | 効かない |
| high angle | タグが存在しない | 0 | 効かない |
| bird's eye view | タグが存在しない | 0 | 効かない |
| from front | タグが存在しない | 0 | 判定できない |
並べると、はっきりした傾向が出ました。
効いた語(6語)のタグ枚数の中央値 : 335,536
効かない語(8語)の中央値 : 493
当編集部が算出(2026年9月3日)
680倍の開きがあります。そしてlow angle、high angle、bird's eye view、face focus、from front の5語には、そもそもタグが存在しませんでした。枚数が少ないのではなく、ゼロです。
これは相関であって、証明ではない
言えるのはここまでです。モデルの学習データそのものは公開されていないので、「このタグで学習したから効く」と断定はできません。
実際に例外もあります。dutch angle は162,686枚のタグがありながら、3つの種すべてで効きませんでした。枚数だけでは説明が付きません。枚数が多い語でも効かないことがある、という事実のほうを覚えておいたほうが実用的です。
使うときの目安
- 写真や映像の用語をそのまま書いても通らないことがある
- from below のように、投稿サイトのタグの形で書いたほうが通りやすい
- アンダースコアはスペースに置き換えて書けばよい
- ただしタグの枚数が多くても効かない語がある。最後は出して確かめる
どのモデルを使うかで結果が変わる点も押さえておいてください。ここで使ったのはSD 1.5系のアニメ寄りのモデル1本です。モデルごとにライセンスや許諾が違う話はStable Diffusionのモデルは商用利用できる?Civitaiの人気800本の許諾を数えた記事にまとめました。
2つ書いたらどうなるか。順番と、矛盾させたとき

実際には、距離と角度を両方書きたくなります。そのとき順番は関係あるのか。入れ替えて出しました。
| 書き方 | 出た構図 | 順番の影響 |
|---|---|---|
| full body → from below | 全身かつ見上げ。両方効いた | なし |
| from below → full body | 全身かつ見上げ。両方効いた | なし |
| close-up → from above | 見下ろしのみ。寄っていない | なし |
| from above → close-up | 見下ろしのみ。寄っていない | なし |
効く語同士なら、順番を入れ替えても結果は変わりませんでした。full body と from below はどちらを先に書いても、全身で見上げた絵になります。
そして効かない語は、順番を変えても効きません。close-up は from above の前に置いても後に置いても、寄りにはなりませんでした。「順番で効き方が変わる」のではなく、効く語かどうかで決まっています。
語の並び順が効く場面は別にある
ただし、並び順がまったく無関係というわけではありません。服のプロンプトを16枚出して確かめた記事では、服の語を先頭に置くと指定した色が出る、という結果が3つの種で3回とも再現しました。
色や素材の指定では並び順が効き、構図の指定では効かない。同じ「順番」でも、何を指しているかで結果が変わります。
矛盾する語を両方書いたとき
一覧をまとめて貼り付けると、矛盾する語が同時に入ることがあります。そうなったときどうなるかも出しました。
結果は3通りに分かれ、法則は見つかりませんでした。先に書いたほうが勝つこともあれば、後のほうが勝つこともあり、両方消えることもあります。
ただし1つだけ言えることがあります。from front と from behind の組では、必ず from behind が勝ちました。from front はタグが存在しない語なので、効く語と効かない語がぶつかれば、効く語が通ります。
矛盾を避けるための整理
- 距離の語は1つだけにする。full body と close-up を両方書くと、どちらも出ない
- 角度の語も1つだけにする。どちらが勝つかは予測できない
- 一覧からまとめて貼るなら、貼ったあとに重複と矛盾を目で確認する
- 距離と角度は別の指定なので、1つずつなら同時に書いてよい
効く語だけで組み立てる
ここまでの結果をまとめると、覚える語は7つで足ります。距離から1つ、角度から1つ選んで書くだけです。
そのまま貼れる形
| やりたいこと | 書く語 | 3つの種での結果 |
|---|---|---|
| 全身を見せたい | full body | 3種とも足まで入った |
| 服のシルエットを見せたい | cowboy shot | 3種とも太ももまで入った |
| 顔まわりに寄りたい | upper body | 寄るが差は小さい |
| 手の破綻を消したい | upper body | 手が画面から外れる |
| 脚を強調したい | full body, from below | 3種とも全身かつ見上げ |
| 見下ろしにしたい | from above | 3種とも見下ろし |
| 背中を見せたい | from behind | 3種とも背中を向けた |
| 横顔を見せたい | from side | 3種とも横向き |
成人向けの表現でも同じです。アングルはいちばん結果を左右する要素ですが、効く語は変わりません。実際に何を出せるかはモデルとサービスの側で決まります。当サイトではアニメや二次元のイラストが作れる生成AIをまとめた記事で、サービスごとの扱いを整理しています。
背景を変えても、判定は同じだった

ここまでの判定は、背景を無地にしたプロンプトで出したものです。人物が画面をどれだけ占めているかを測りやすくするためです。
それでは、背景を指定したときも同じ結果になるのか。プロンプトの背景を「公園、昼間」に変えて、同じ16語をもう一度93枚出しました。
| 語 | 無地の背景 | 公園の背景 |
|---|---|---|
| full body | 効いた | 効いた |
| cowboy shot | 効いた | 効いた |
| close-up | 効かない | 効かない |
| from below | 効いた | 効いた |
| from behind | 効いた | 効いた |
| low angle | 効かない | 効かない |
| high angle | 効かない | 効かない |
入れ替わった語は1つもありませんでした。背景の指定があってもなくても、効く語は効き、効かない語は効きません。
この追試には別の意味もあります。背景が公園だと、地面や日差しが肌の色と近くなり、人物の大きさを機械で測る方法が使えなくなります。数字で測れない条件でも、3つの種を並べて目で見れば判定はできる、ということです。
法則が本物なら、次の語も当てられるはずだった

ここまでの説明には弱いところがあります。結果を見てから理由を付けているだけかもしれない、という点です。
そこで確かめました。まだ試していない12語について、先にタグの枚数だけを見て「効く/効かない」を決めてしまい、そのあとで出しました。予測の基準はこうです。
| タグの枚数 | 予測 |
|---|---|
| 10万枚以上 | 効く |
| 1万枚から10万枚 | 境目 |
| 1万枚未満 | 効かない |
結果は片側だけ当たった
| 語 | タグの枚数 | 予測 | 実際 | 当たり外れ |
|---|---|---|---|---|
| looking back | 363,812 | 効く | 3種とも振り返った | 当たり |
| feet out of frame | 238,094 | 効く | 3種とも脚が主役になった | 当たり |
| pov | 199,382 | 効く | 基準とほぼ同じ | 外れ |
| portrait | 142,479 | 効く | 基準とほぼ同じ | 外れ |
| looking at viewer | 4,887,911 | 効く | 基準がもともとカメラ目線 | 判定できない |
| straight-on | 60,836 | 境目 | 基準とほぼ同じ | 効かなかった |
| head out of frame | 29,067 | 境目 | 頭が入ったまま | 効かなかった |
| fisheye | 6,775 | 効かない | 基準とほぼ同じ | 当たり |
| dynamic angle | 0 | 効かない | 基準とほぼ同じ | 当たり |
| wide angle | 0 | 効かない | 基準とほぼ同じ | 当たり |
| close up(スペース) | 0 | 効かない | 基準とほぼ同じ | 当たり |
| medium shot | 0 | 効かない | 基準とほぼ同じ | 当たり |
集計するとこうなります。
「効かない」と予測した5語 ── 5語とも効かなかった。5戦5勝
「効く」と予測した5語 ── 効いたのは2語。判定できないものが1語
「境目」とした2語 ── どちらも効かなかった
タグが無い語・少ない語は効かない。この予測は外れませんでした。いっぽうタグが多いから効く、という予測は半分しか当たりません。
外れた2語には共通点があった
外れたのは portrait と pov です。どちらもタグは10万枚を超えているのに、構図は動きませんでした。
この2語を見直すと、共通点があります。そもそも距離や角度を指す語ではありません。portrait は絵の種類を指す語で、pov は視点の立て方を指す語です。タグとしてはよく使われていても、人物をどこから何メートル離れて写すかを決める語ではありません。
| 語が指しているもの | 例 | 構図が動くか |
|---|---|---|
| カメラと被写体の距離 | full body / cowboy shot | 動く |
| カメラの位置と向き | from below / from behind | 動く |
| 被写体の動作 | looking back | 動く。振り返れば向きが変わる |
| 絵の種類 | portrait | 動かない |
| 視点の立て方 | pov | 動かない |
| タグが存在しない語 | low angle / wide angle | 動かない |
まとめると2段になる
- 1段目 ── タグが無い語、極端に少ない語は効かない。これは12語すべてで外れなかった
- 2段目 ── タグがあっても、その語が距離か向きを指していなければ構図は動かない
- だから「タグが多い」だけでは足りない。何を指す語なのかも見る
- 迷ったら、その語が写真の撮り方を指しているのか、絵の分類を指しているのかを考える
書き方を1文字変えるだけで別の語になる
おまけの発見もありました。close-up とハイフンで書くとタグが63,415枚ありますが、close up とスペースで書くと0枚です。
実測でも、スペースで書いた close up は3種とも基準のままでした。もっとも、ハイフンで書いた close-up も効かなかったので、この語に関してはどちらでも同じです。ただ書き方が1文字違うだけで別のタグとして扱われる点は、他の語でも起こりえます。
一覧をそのまま使わないための考え方
ここまでの結果は、「一覧記事は間違っている」という話ではありません。載っている語のうち、自分の使うモデルで通るものがどれかは、載せた側にも分からないというだけです。
そのうえで、実務としてどう扱えばよいかを整理します。
一覧から選ぶときの順番
まず自分が何を変えたいのかを1つに絞ります。距離なのか、角度なのか、被写体の動作なのか。この3つは別のものです。
次にその分類の中から、いちばん短くて素朴な語を選びます。実測で効いたのは full body、from below、from behind のような語でした。凝った言い回しほど通りません。worm's eye view より from below のほうが確実です。
そして選んだ語を1つだけ足して出します。複数を同時に足すと、どれが効いたのか分からなくなります。矛盾する語が混ざれば、どちらも出なくなることもあります。
効かない語を見分ける目安
| こういう語は通りにくい | 理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 写真や映像の専門用語 | 投稿サイトのタグとして使われていない | low angle → from below |
| 比喩を含む言い回し | タグとして定着していない | bird's eye view → from above |
| レンズの種類を指す語 | 絵の中身ではなく機材の話 | 言い換えが見つからない |
| 絵の分類を指す語 | 距離も角度も決めていない | portrait → upper body |
| スペースやハイフンの違い | 別のタグとして扱われる | close up → close-up |
それでも一覧が役に立つ場面
語の候補を集めるという意味では、一覧はいまでも有効です。自分で思いつく語には限りがあります。
使い方を変えればよいだけです。一覧は「試す候補のリスト」として読み、そのまま貼り付けるものとしては読まない。候補を3つか4つに絞って、1つずつ確かめる。1語につき2枚出せば済むので、10語試しても20枚。費用にすると2円ほどです。
16語の全結果
試した16語を、判定とタグの枚数と一緒に1つの表にまとめます。実際に何が出たかも書きました。
| 語 | 種類 | タグの枚数 | 3つの種で出た構図 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| full body | 距離 | 1,275,458 | 足まで入る。人物が小さくなる | 効いた |
| upper body | 距離 | 1,187,785 | 胸から上。基準との差は小さい | 弱く効いた |
| cowboy shot | 距離 | 848,299 | 太ももまで入る | 効いた |
| close-up | 距離 | 63,415 | 基準と同じ。顔のアップにならない | 効かない |
| wide shot | 距離 | 23,734 | 基準と同じ。引かない | 効かない |
| face focus | 距離 | 0(タグなし) | 基準と同じ | 効かない |
| from side | 角度 | 335,536 | 横向きになる | 効いた |
| from behind | 角度 | 328,384 | 背中を向ける。いちばん確実 | 効いた |
| dutch angle | 角度 | 162,686 | 傾かない。基準と同じ | 効かない |
| from above | 角度 | 145,453 | 見下ろし。顔が上を向く | 効いた |
| from below | 角度 | 119,149 | 見上げ。脚が長く見える | 効いた |
| worm's eye view | 角度 | 493 | 基準と同じ | 効かない |
| low angle | 角度 | 0(タグなし) | 基準と同じ | 効かない |
| high angle | 角度 | 0(タグなし) | 基準と同じ | 効かない |
| bird's eye view | 角度 | 0(タグなし) | 基準と同じ | 効かない |
| from front | 角度 | 0(タグなし) | 基準がもともと正面 | 判定できない |
タグの枚数の順に並べると、上から6語のうち5語が効いていて、下から6語はすべて効いていません。境目にあたるのが dutch angle と close-up です。
2つの例外
| 語 | 何が例外か | 実測 |
|---|---|---|
| dutch angle | タグが16万枚あるのに効かない | 3種とも水平のまま |
| upper body | タグは118万枚あるのに効き方が弱い | 寄るが基準との差が小さい |
枚数が多ければ必ず効く、とは言えません。dutch angle は画面全体を傾ける指定で、人物の配置を変える指定とは性質が違います。タグの枚数はあくまで手がかりで、最後は出して確かめるしかありません。
自分で確かめる手順
この記事の結果は、モデルを変えれば変わります。そこで、自分の環境で同じ判定をするやり方を書いておきます。2枚出せば分かります。
手順は4つ
1. 乱数の種を固定する
いちばん大事な準備です。種を固定しないと、語のせいなのか運のせいなのか分けられません。WebUIならSeedの欄に好きな数字を入れて、隣のサイコロのボタンを押さないようにします。
2. 語を入れないで1枚出す
これが基準です。この絵と見比べることになるので、必ず先に出しておきます。
3. 語を1つだけ足して、もう1枚出す
他は何も変えません。足す位置も決めておきます。この記事では、背景の指定の直後に固定しました。
4. 効かないはずの語でも同じことをする
ここを飛ばすと判定を間違えます。zzz のような意味のない語を足して1枚出します。その絵が基準からどれだけ動いたかが、判定の土台になります。
| 比べるもの | 見るところ | 判定 |
|---|---|---|
| 基準 と zzz を足した絵 | 人物の大きさと向き | ここが変わらなければ土台として使える |
| 基準 と 試す語を足した絵 | 同じところ | 変わっていれば効いている |
| 2つを見比べる | 変わり方が同じ程度か | 同じ程度なら効いていない |
やってはいけない判定の仕方
- 絵が変わったから効いた、と判定する。意味のない語でも絵は変わる
- 1つの乱数の種だけで決める。種を変えると結果が入れ替わることがある
- 語をいくつも同時に足す。どれが効いたのか分けられなくなる
- 縮小した一覧で見比べる。細かい違いが消えて見える
- 効かないはずの語を用意せずに始める。土台がないまま判定することになる
プロンプトの作り込み全体についてはAI美女の生成方法とおすすめプロンプトに、髪型から服までの語をまとめてあります。構図を決めてから細部を足していくほうが、直しが少なくて済みます。
よくある質問
構図のプロンプトが効かないのはなぜですか?
その語が学習のときに使われていないからだと考えられます。アニメ寄りのモデルは、画像投稿サイトのタグを手がかりに学習していることが多く、タグとして存在しない語を書いても、モデルはその意味を知りません。実測では、効かなかった8語のうち5語はタグそのものが存在しませんでした。low angle、high angle、bird's eye view、face focus、from front の5語です。
close-up が効かないなら、顔をアップにするにはどうすればよいですか?
寄る語を足すより、外す語を使うほうが確実です。upper body を指定して体の下側を画面から外せば、結果として顔まわりが大きく写ります。それでも足りないときは、出した絵を切り抜くほうが早いです。解像度が足りなければ拡大の処理を掛けられますが、設定を測った記事で調べたところ拡大は生成の39.1倍の費用が掛かりました。
144語の一覧はまったく役に立たないのですか?
そうは言えません。この記事で試したのは16語で、しかもモデルは1本だけです。別のモデルなら通る語もあるはずです。ただし「一覧に載っているから通る」とは考えないほうがよい、というのがここでの結論です。使う前に、その語だけを足した絵と足さない絵を、同じ乱数の種で出して見比べてください。2枚あれば判定できます。
SDXL や Illustrious 系でも同じ結果になりますか?
確かめていません。この記事で使ったのはSD 1.5系のアニメ寄りのモデル1本です。ベースモデルが変われば学習データも変わるので、結果も変わりえます。ただし判定のやり方はそのまま使えます。効かないはずの語を1つ混ぜて、3つの種で出す。これだけです。
強調のカッコを付ければ効くようになりますか?
この口では効きません。設定を測った記事で確かめたところ、カッコの強調構文はAPI経由では1つも効いていませんでした。重み1.0という効果がないはずの書き方が、無意味な語を足したときと同じくらい絵を動かしたためです。WebUIの独自機能なので、口によって扱いが違います。
プロンプトのどこに構図の語を書けばよいですか?
位置はあまり関係ありませんでした。距離の語と角度の語を入れ替えて出しても、結果は変わっていません。この記事では背景の指定の直後に固定しましたが、末尾に置いても同じように効きます。ただし色や素材の指定は話が別で、服のプロンプトを確かめた記事では服の語を先頭に置くと指定した色が出る、という結果が3つの種で再現しました。構図では位置が効かず、色では効く、という違いがあります。
除外のプロンプトに構図の語を書く意味はありますか?
この記事では確かめていません。試したのはすべて、通常のプロンプト側に足した場合です。効かない語を除外側に書いても、やはり効かないと考えるのが自然ですが、実測はしていないので断定はしません。気になる場合は、この記事の手順をそのまま除外側で試してみてください。基準の1枚、足した1枚、意味のない語を足した1枚の3枚で判定できます。
どのくらいの費用が掛かりましたか?
186枚で合計0.118ドル、日本円で19円ほどです。1枚あたり0.00073728ドル。SD 1.5系のAPIで512×768、25歩の設定です。自分で確かめるなら、2枚から4枚出せば十分なので1円も掛かりません。
乱数の種を3つにしたのはなぜですか?
1つの種だと結果が入れ替わるからです。下着のプロンプト20種を出した記事では、ポーズと種を変えただけで成功と失敗が入れ替わった語がいくつもありました。この記事では、3つの種すべてで指定どおりになったものだけを「効いた」としています。
まとめ
16語を3つの乱数の種で試し、186枚を出して測りました。分かったことを並べます。
判定について分かったこと
- 16語のうち、3つの種すべてで指定どおりになったのは6語だけだった
- 弱く効いたものが1語、効かなかったものが8語、判定できないものが1語
- 効いたのは full body / cowboy shot / from below / from above / from side / from behind
- 効かなかったのは close-up / face focus / wide shot / dutch angle / low angle / worm's eye view / high angle / bird's eye view
- 背景を無地から公園に変えても、入れ替わった語は1つもなかった
測り方について分かったこと
- 同じ設定・同じ種で2回出しても、変わった画素は7.2%から23.7%ある
- 意味のない語 zzz を足しただけで、変わった画素は53.9%から78.5%になった
- つまり「絵が変わったこと」は、その語が効いた証拠にならない
- 測るべきは「変わったか」ではなく「指定どおりになったか」
- 効かないはずの語を4つ用意したところ、4語とも構図は動かなかった
なぜ差が出るのかについて分かったこと
- 効いた語のタグ枚数の中央値は335,536。効かない語は493。680倍の開きがあった
- 効かなかった8語のうち5語は、タグそのものが存在しなかった
- 写真や映像の用語より、投稿サイトのタグの形で書くほうが通りやすい
- ただし dutch angle は16万枚あるのに効かなかった。枚数だけでは決まらない
結局どう書けばよいか
覚える語は7つで足ります。距離から1つ、角度から1つ選んで書く。それだけです。
一覧を丸ごと貼り付けるのはむしろ危険で、矛盾する語が同時に入ると、どちらも出ないことがあります。full body と close-up を並べて書いたときがそうでした。
そしてこの結果はモデル1本での話です。別のモデルを使うなら、同じやり方で確かめてください。基準の1枚、試す語の1枚、意味のない語の1枚。3枚あれば判定できます。費用は1円も掛かりません。
出典
実測の条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| モデル | SD 1.5系のアニメ寄りマージモデル1本 |
| 画像の大きさ | 512×768 |
| 歩数 | 25 |
| CFG | 7.5 |
| サンプラー | euler a |
| 乱数の種 | 1234567 / 7654321 / 424242 |
| 枚数 | 186枚(無地の背景93枚、公園の背景93枚) |
| 費用 | 合計0.118ドル。1枚0.00073728ドル |
| 取得日 | 2026年9月3日 |
参照した情報
- Danbooru(タグごとの枚数。2026年9月3日 取得)
- Stable Diffusionの設定はどれが効くのか(判定のやり方と、強調構文の実測)
- AIイラストの服のプロンプト(語の並び順が効く場面の実測)
- AIで下着を描くプロンプト20種(乱数の種で結果が入れ替わる実測)
- Stable Diffusionのモデルは商用利用できる?(モデルごとの許諾とライセンス)
この記事の数字について
判定はすべて、3つの乱数の種で出した画像を1枚ずつ拡大して目で確かめたものです。変わった画素の割合と人物の占める割合は当編集部で算出しました。効かないはずの語を4つ最後まで一緒に出して、判定の土台にしています。
タグの枚数は、公開されている情報から2026年9月3日に取得した値です。これは相関を見るための手がかりで、「タグにあるから効く」と証明したものではありません。モデルの学習データそのものは公開されていません。
ここで試したのはモデル1本です。別のモデル、別の口では結果が変わります。プロンプトの仕様も変更されることがあります。使う前に、ご自身の環境で2枚から3枚出して確かめてください。