AIで描いた絵を売ってよいかどうかは、使ったモデル1件ずつに書かれています。Civitai の配布ページには許可の欄があり、作者が Image Rent RentCivit Sell None の5つから選ぶ形です。何も選ばずに出したモデルもあります。
この欄を全件数えると、止まるのは「商用不可」ではありません。その隣にある「改変不可」のほうです。話題になるのは前者で、実際に当たる確率が高いのは後者、という食い違いがそのまま残っています。
- 許可の欄にある5つの値 —— それぞれの原文の説明と、付いている件数
- 「記載なし」と「不可」の違い —— 混ぜて数えると結論が変わる
- 見落とされる「改変不可」 —— どの系統でどれだけ付いているか
- 売り先・投稿先8つの扱い —— 禁止のところ、申告が要るところ、制度が無いところ
- 版権キャラと成人向け —— モデルの許可を通しても、まだ2つ層がある
どのモデルで作るか、どのサービスで動かすかは AIで二次元キャラを生成する|モデルの選び方と、無料で試せる5サービス にまとめました。この記事はその続きで、できあがった絵をどうするかを扱います。
売ってよいかは、モデルの許可欄に書いてある
許可の値ごとの件数
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| 許可の値 | Civitai の説明(原文) | 付いている件数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| RentCivitRun on Civitai | Run on Civitai | 601,369 | 94.2% |
| RentRun on services that generate for money | Run on services that generate for money | 434,132 | 68% |
| ImageSell images they generate | Sell images they generate | 346,349 | 54.2% |
| SellSell this model or merges using this model | Sell this model or merges using this model | 255,629 | 40% |
| None(作者が「商用不可」を選んだ状態) | (作者が「商用不可」を選んだ状態) | 220 | 0.1%未満 |
| (値が何も無い)記載なし。不可という意味ではない | 記載なし。不可という意味ではない | 30,920 | 4.8% |
1件のモデルに複数の値が付くため、合計は総数を超えます。説明文は Civitai の画面表示から取ったもの(2026年8月28日 確認)。この説明があっても、実際に許される範囲はモデルごとの個別ライセンスが決めます(利用規約 9.4)。
時点で取得したデータです。
モデル1件につき、許可は0個から4個まで付きます。上の表は、それぞれの値が付いている件数です。1件に複数の値が付くため、合計は総数を超えます。
選択肢は5つ。原文の説明が付くのは4つ
作者が選べるのは Image Rent RentCivit Sell None の5つ。最後の None だけが明示的な「不可」で、残る4つは許可です。
これに加えて、何も選ばずに出したモデルがあります。「許可の値ごとの件数」の表の最終行がそれで、選択肢ではなく空欄です。「不可」と「空欄」を同じものとして数えない —— この記事でいちばん大事な区別になります。
表の「Civitai の説明」の欄は、同社が画面に出している文そのものです。None と空欄の2行だけは原文が無いため、括弧に入れた注記を置いています。
たとえば Sell の説明は「Sell this model or merges using this model」。このモデル、またはこのモデルを使ったマージを販売する、という意味です。売ってよいのはモデルのほうで、生成した絵の販売は Image、別の欄になります。
「記載なし」と「不可」は、まったく別のもの
「許可の値ごとの件数」の表のいちばん下、値が何も入っていないモデルを見てください。
これは「商用利用を禁じている」という意味ではありません。作者が許可を何も書いていない、というだけです。記載が無いことは、禁止の証拠にも、許可の根拠にもなりません。どちらとも読めない状態、と考えてください。
いっぽう None は、作者が選択肢の中から「不可」を選んだ状態です。数はごくわずかですが、意味はまるで違う。集計を読むときは、この2つが分かれているかを見てください。分けていない集計は、そもそも比べられません。
組み合わせで見ると、並び順が混ざっている
商用利用の許可の組み合わせ
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| 許可として付いている値 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| Image / Rent / RentCivit / Sell | 242,682 | 38% |
| Rent / RentCivit | 125,927 | 19.7% |
| RentCivit | 122,298 | 19.1% |
| Image / Rent / RentCivit | 54,742 | 8.6% |
| Image / RentCivit | 44,502 | 7% |
| (ひとつも付いていない) | 30,920 | 4.8% |
| Rent / RentCivit / Sell | 10,541 | 1.7% |
| Image | 4,279 | 0.7% |
| Sell | 1,845 | 0.3% |
| RentCivit / Sell | 401 | 0.1% |
| Rent | 197 | 0.1%未満 |
| None / RentCivit | 154 | 0.1%未満 |
| Image / RentCivit / Sell | 106 | 0.1%未満 |
| None | 50 | 0.1%未満 |
| Image / Sell | 31 | 0.1%未満 |
| Rent / Sell | 20 | 0.1%未満 |
| None / Rent / RentCivit | 16 | 0.1%未満 |
| Image / Rent | 4 | 0.1%未満 |
| Image / Rent / Sell | 3 | 0.1%未満 |
値は Civitai の画面に出ている語そのものです。
時点で取得したデータです。
組み合わせの並び順に意味はありません。APIは Image / RentCivit と RentCivit / Image をどちらも返します。実際に取り込んだデータでは20通り以上の並びがあり、値を揃えて数え直すと上の表に畳まれました。並びの違いを別の許可として数えると、件数が水増しされます。
説明文はある。ただし法的な定義は文書になっていない
値ごとの短い説明は、Civitai が画面に出しています。モデルページの権限アイコンと、投稿フォームの選択肢に、同じ文言が使われています。
公開されていないのは、その説明がどこまでの法的な範囲を指すのかのほうです。利用規約にもAPIのリファレンスにも定義はなく、規約 9.4 がモデルごとの個別ライセンスに条件を委ねています。次の4か所を実際に取得して確認しました。
利用規約には書かれていない
Civitai の利用規約には、モデルのライセンスについての条項があります。ところが書かれているのは「作者が個別のライセンスを選べる」「ダウンロードした側はそれに従う」という枠組みだけ。値そのものの法的な定義はありません。画面の説明文は入口で、条件の本体はモデルごとの個別ライセンスにある、という構図です。
9.4 Bespoke License for Models. You may choose to make your Models available for download or use by other Users. In such circumstances, you may license your Models under bespoke license terms (“Bespoke License”) generated via the Service. If you download or use Models Posted by other Users, you agree that your access to and use of such Models will be subject to the terms of the applicable Bespoke License associated with the Models.
9.4 モデルの個別ライセンス。投稿者は、自分のモデルを他の利用者がダウンロード・使用できるようにすることを選べる。その場合、本サービス上で生成される個別のライセンス条件(「Bespoke License」)のもとでモデルを提供できる。他の利用者が投稿したモデルをダウンロードまたは使用する場合、そのモデルに紐づく個別ライセンスの条件に従うことに同意したものとみなされる。
Civitai Terms of Service 9.4 — civitai.com/content/tos
APIのリファレンスにも定義がない
Civitai の開発者向けリファレンスは、モデルの応答に含まれる項目を一覧で説明しています。allowCommercialUse はその応答例の中に出てきますが、取りうる値の説明はありません。
同じリファレンスには、有効な値を列挙するための専用ページがあります。そこで列挙されているのはモデルの種類・ファイルの種類・ベースモデルなどで、商用利用の許可は対象に入っていません。ページ自体が「値をハードコードせずここから取れ」と書いているにもかかわらず、この項目だけ載っていない。
ライセンス一覧のページは中身が返ってこない
Civitai にはライセンスの一覧ページがあります。開くと 200 が返りますが、HTMLの中に本文がありません。ブラウザ上で JavaScript が描画する作りになっていて、取得しただけでは読めない状態でした。
確認した4か所
| 確認した場所 | 結果 |
|---|---|
利用規約 /content/tos |
取得できた。本文に値の法的な定義なし(9.4 は個別ライセンスへの委任) |
| APIリファレンス(モデル) | 取得できた。応答例に項目名は出るが、値の説明なし |
| APIリファレンス(有効な値の一覧) | 取得できた。商用利用の許可は一覧の対象外 |
ライセンス一覧 /content/licenses |
200 だが HTML に本文が無い(JavaScript で描画) |
「定義が見つからなかった」であって、「定義が存在しない」とは言えません。モデルの個別ページ上では、作者が選んだ許可が文章で表示されている可能性があります。ここで確認したのは、機械が読める形で公開されている範囲です。
見落とされているのは「改変不可」のほう
ベースモデルごとの、商用の記載なしと改変不可
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| ベースモデル | 件数 | 商用の記載なし | 改変不可マージの共有 |
|---|---|---|---|
| Illustrious | 294,109 | 0.9%2,575件 | 16.2%47,598件 |
| Pony | 144,696 | 1.1%1,595件 | 16.1%23,265件 |
| SD 1.5 | 112,202 | 18.2%20,438件 | 16%17,952件 |
| SDXL 1.0 | 44,863 | 6.1%2,748件 | 22.6%10,122件 |
| Anima | 35,069 | 0.8%268件 | 19.4%6,814件 |
| Flux.1 D | 32,364 | 3.2%1,020件 | 28.8%9,306件 |
| NoobAI | 10,238 | 1.3%132件 | 12.6%1,294件 |
| ZImageTurbo | 9,170 | 1.6%146件 | 30.5%2,793件 |
| Other | 8,180 | 26.5%2,171件 | 15.2%1,241件 |
| Krea 2 | 7,069 | 1.4%100件 | 23.4%1,652件 |
| Qwen | 2,339 | 1.5%34件 | 17.9%419件 |
| Flux.2 Klein 9B | 1,531 | 0.7%10件 | 28.9%443件 |
1件のモデルが複数のベースモデルに登録されていることがあるため(実測で最大17件)、件数の合計は総数を超えます。
時点で取得したデータです。
ここまでは「売ってよいか」の話でした。許可の欄には、もう1つ別の条件が並んでいます。改変してよいかどうかです。
当たる確率は、商用の記載なしより、けた違いに高い
「ベースモデルごとの、商用の記載なしと改変不可」の表で、系統ごとに「商用の記載なし」と「改変不可」の2つの数をくらべてください。二次元でよく使われる系統では、改変不可のほうが、商用の記載が無いものより一けた多く付いています。登録されている全モデルを、同じ条件で、同じ日に数えた値です。母集団をそろえてあるので、そのまま比べられます。
ただし全系統がそうではありません。表の SD 1.5 と Other は逆で、商用の記載が無いほうが多くなっています。この形は二次元系に固有のものだと考えてください。
見落とされる理由も、たぶんそこにあります。記事にもフォーラムにも「商用利用できるか」の話ばかりが並ぶ。ところが実際に引っかかる確率が高いのは、話題にならないほうの欄でした。
画面のラベルは「マージの共有」。ただし公式ガイドはもっと広い
この欄のラベルは、Civitai の画面では Share merges using this model です。文字だけ読むと、マージしたものを共有してよいか、という意味に取れます。
ところが同社の公式ガイドは、同じ欄をこう説明しています。このリソース、またはその出力を使って、マージ・ファインチューン・学習を行うことを許可する。画面のラベルより広い、ということです。
- マージして配る —— 画面のラベルが名指ししているのはここ
- ファインチューン・追加学習 —— 公式ガイドはこちらも同じ欄で説明しています
- 出力を使った学習 —— ガイドの原文は「その出力(outputs)」まで含めています
- 生成した絵を売る —— こちらは別の欄(
Image)。混ぜて考えない
つまり、ラベルだけを見て「マージだけの話」と読むと狭すぎます。LoRA を学習して配るつもりなら、この欄を見てください。そのうえで、条件の本体はモデルごとの個別ライセンスにあります。
LoRA を当てて生成するのは「改変」ではない
取り違えられがちな話をもう1つ。できあがったモデルに LoRA を当てて画像を出すこと。これは派生モデルの作成ではありません。
根拠は Civitai の欄の作りそのものです。生成した絵の販売と、モデルやマージの配布が、最初から別の欄に分かれている。同じ欄で管理されているなら混ぜて読む余地もありますが、分かれている以上、別の条件として立ちます。
ただし、当てた LoRA そのものにも独立した利用条件が付いています。土台のモデルが通っても、LoRA 側で止まることがある。確認する対象は、使ったファイルの数だけあります。
改変に厳しいのは、二次元系ではなく新しい系統
順位は印象と逆でした。表の「改変不可」の欄を、上から下まで見てください。NoobAI がいちばん低く、Illustrious と Pony も下から数えたほうが早い位置にいます。
ただし二次元系が全部そうではありません。同じ二次元系でも Anima は中位で、SD 1.5 や Qwen より上に来ます。「二次元系だから低い」と一括りにはできません。
割合が高いのは、Flux 系や ZImage 系のような新しい非アニメ系のほうでした。二次元系のいちばん低いところと比べると、開きはおよそ2倍。系統をまたぐと、当たる確率がこれだけ変わります。
ひとつ断っておきます。この順位は登録されている全モデルを数えた結果です。ダウンロード数の多いモデルだけを抜き取って数えると、順位は変わります。上位のモデルほど、改変に厳しい条件が付きやすいからです。
母集団が違えば結論も変わる。どちらを見ているのかを確かめずに「二次元系は寛容」とだけ書くのは危ない、ということでもあります。「二次元は権利がうるさい」という言われ方とは、少なくとも全件では実データが逆を向いていました。なぜそうなるのかまでは分かりません。配布している人の層が違うのか、系統ごとの慣習なのか。確かめていないので、ここで止めておきます。
ベースモデルを決めた時点で、当たる確率が変わる
ベースモデルごとの件数と商用の許可
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| ベースモデル | 件数 | LoRA | Checkpoint | 商用の記載なし | その割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| Illustrious | 294,109 | 284,874 | 3,075 | 2,575 | 0.9% |
| Pony | 144,696 | 140,422 | 1,584 | 1,595 | 1.1% |
| SD 1.5 | 112,202 | 94,161 | 7,529 | 20,438 | 18.2% |
| SDXL 1.0 | 44,863 | 40,300 | 1,900 | 2,748 | 6.1% |
| Anima | 35,069 | 33,180 | 550 | 268 | 0.8% |
| Flux.1 D | 32,364 | 30,849 | 527 | 1,020 | 3.2% |
| NoobAI | 10,238 | 8,616 | 376 | 132 | 1.3% |
| ZImageTurbo | 9,170 | 8,514 | 171 | 146 | 1.6% |
| Other | 8,180 | 5,032 | 438 | 2,171 | 26.5% |
| Krea 2 | 7,069 | 6,527 | 189 | 100 | 1.4% |
| Qwen | 2,339 | 1,629 | 71 | 34 | 1.5% |
| Flux.2 Klein 9B | 1,531 | 1,256 | 48 | 10 | 0.7% |
1件のモデルが複数のベースモデルに登録されていることがあるため(実測で最大17件)、件数の合計は総数を超えます。
時点で取得したデータです。
許可がひとつも付いていないモデルの割合は、ベースモデルごとに違います。初期から使われている系統では割合が高く、新しい系統では1%を下回るものが多くなります。
系統によって、記載の有無がはっきり分かれる
二次元キャラでよく使われるのは Illustrious、Pony、Anima、NoobAI といった系統です。件数でも上位を占めます。この系統は、許可の記載が無いモデルの割合が低いほうです。
いっぽう、初期から使われてきた SD 1.5 系は、記載無しの割合が二次元系の14倍から23倍あります。系統名ではない Other を除けば、いちばん高い。古い解説記事の「Stable Diffusion は商用OK」をそのまま信じると、足をすくわれます。「Stable Diffusion」は、ひとつのモデルの名前ではありません。
表の中の Other も、特定の系統を指す名前ではありません。どの系統にも当てはまらないものをまとめた枠です。他の行と同じようには比べられない。
1件のモデルが複数のベースモデル向けとして登録されていることがあります(確認できた範囲で最大17件)。そのため件数の合計は総数を超えます。系統ごとの件数は ベースモデルごとの件数 にも出しています。
この差をどう読むか
割合の差はデータとして出ますが、なぜそうなるかはデータからは分かりません。配布された時期が違えば、そのとき一般的だったライセンスの選び方も違います。作者の層が違う可能性もある。ここで言えるのは、ベースモデルを決めた時点で、商用の許可が付いていないモデルに当たる確率が変わる、ということまでです。
この確率は、何を描くかで偏ります。漫画にあたるタグが付いたモデルだけを取り出すと、系統の分布も、販売を許している割合も全体とは違う形になります。その数字は AI漫画の作り方 に出しました。
どこで売るかで、扱いが正反対になる

| 売り先・投稿先 | AIイラストの扱い | 申告 |
|---|---|---|
| DLsite | 専用の「AI生成フロア」で扱う。同人フロアとは分離 | 必須。紹介文にAI利用の程度と箇所も書く |
| FANZA同人 | 出せる。専用のAIフロアがあり、一覧とランキングからは除外表示される | サークル側が登録時に設定(「AI生成」「一部AI利用」の2ラベル) |
| pixiv | 投稿できる。閲覧者側で非表示にできる | 必須(ガイドライン。ほぼ全部をAIで作った作品) |
| pixivFANBOX | 禁止(個別規約 第7条2項10号)。別サイトへの誘導も禁止 | — |
| BOOTH | AI申告の制度そのものが無い。ただし特定の作品・作家への依拠性が高いものは検索から除外 | 制度なし |
| Skeb | 禁止。利用規約の禁止行為に明記 | — |
| ココナラ | イラストは出品禁止。AI生成の写真と文章は出品できる | — |
| LINEスタンプ | 禁止していない。規約にAI生成である旨を「表示」する条項がある | 申告できる |
ここまではモデルの話でした。モデルが許していても、売り先が受け付けないことがあります。しかも扱いは各社でばらばらで、同じ1枚が、ある場所では専用フロアの商品になり、別の場所では規約違反になります。
禁止しているところが、はっきりある
いちばん厳しいのは Skeb です。利用規約の禁止行為に、生成AIが一部もしくは全部を生成したデータを納品する行為が挙げられています。対象は「運営会社所定のジャンル」で、それがどのジャンルかは規約に書かれていません。
クリエイター向けの案内には、確認のためにレイヤー分けされた作業データの提出を求められることがあるとも書かれています。
pixivFANBOX も禁止です。個別規約の第7条2項10号で、公開も別サイトへの誘導も禁じられています。pixiv 本体には投稿できるのに、こちらは扱いが違う。同じ運営でも、サービスごとに別のルールが立っています。
pixivリクエストについては、2023年5月のお知らせで禁止が案内されました。ただし2026年4月に全面改訂された現行の個別規約には、AIについての条項が見当たりません。こちらでは現行規約に該当条項を確認できていないので、断定しません。
ココナラ は、AIで生成したイラスト画像を出品禁止コンテンツに挙げています。それを素材の一部に使ったサムネイルや動画も対象です。おもしろいのは、AI生成の写真画像と文章記事は出品できると同じページに書いてあること。イラストだけが名指しで外されています。
受け付けるところは、その代わり条件が細かい

DLsite は、AI生成作品を専用フロアで正面から扱っています。そのかわり条件が細かい。申請は各月3作品まで。1作品に入れられるイラストは差分込みで500枚まで(セット作品・総集編は1000枚まで)。複数サークルを作って上限を回避することも禁止されています。ヘルプの表記は2024年4月3日現在のものです。
読み落としやすいのがここです。AI生成画像をトレスして描き直しても、下絵として模写しても「AI生成作品」になります。DLsite は「かかった労力や時間は考慮されていない」と明記している。自分の絵を学習させて出した場合も、同じ扱いです。
申告漏れが疑われると、下書き・ラフを含む制作経緯のデータ(PSD等)の提出を求められます。出せなければ通らない、ということです。
版権キャラは、モデルの話とは別に効く
版権キャラの扱いも売り先ごとに違います。共通しているのは、「AIが偶然出した」は言い訳にならないという点です。
- pixiv —— 特定の第三者の作品に類似した投稿を反復継続する行為、およびそれを助長するツールやモデルの配布・販売を、共通利用規約の禁止行為に明記。偶然生成された作品でも、特定の作品との著しい類似が認められた場合などは投稿者が責任を持つと改定告知で説明
- DLsite —— 他人の絵柄・画風・肖像・声色を無許可かつ故意に模倣したものを禁止。他人が作ったAI生成物の無断使用も禁止
- Aipictors —— 他者の著作物を
i2iや ControlNet で加工して投稿することを名指しで禁止 - BOOTH —— 特定の作品・作家への依拠性が高いAI生成作品を出品するショップを、検索結果から除外する対応をとっている
「AIが偶然出した」で済ませられる設計になっていない
いちばん踏み込んでいるのは pixiv です。特定の第三者の作品に類似した投稿を、反復継続して行う行為を禁止しています。それを助長するツールやモデルの配布・販売まで禁止行為に入っている。
そのうえで、偶然生成された作品であっても投稿者が責任を持つ必要があると説明しています。条件は「特定の作品との著しい類似が認められた場合」など。出力が意図と違ったことは、それだけでは免責の理由になりません。
絵柄そのものも対象になっている
DLsite は、他人の絵柄・画風・肖像・声色を無許可かつ故意に模倣したものを禁止しています。キャラクターではなく「画風」を名指ししているのがここの特徴です。
BOOTH は2025年7月の告知で、特定の作品・作家への依拠性が高いAI生成作品を出品するショップへの対応を示しました。全出品物を検索結果に載せない、という内容です。作品単位ではなくショップ単位になっています。
Aipictors は、他者の著作物を i2i や ControlNet で加工して投稿することを名指しで禁じています。同じキャラを何枚も出すための技術が、そのまま禁止の対象語として出てくる。手段として使えることと、投稿してよいことは別です。
モデルの許可欄を全部通しても、この段で止まります。この3つ目の層があることを、先に知っておいてください。
成人向けの申告も、モデル単位で付いている
取り込めている範囲
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| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 登録されているモデル | 638,718 |
| 成人向けの申告があるもの | 188,455 |
| 商用の記載がひとつも無いもの | 30,920 |
| 改変不可(マージの共有が許可されていない) | 107,787 |
| モデルの種類(Checkpoint・LoRA など) | 22 |
時点で取得したデータです。取り込みは継続中で、件数は増えます。
成人向けかどうかも、サービスではなくモデル側に申告として付いています。上の表が、いま数えられている範囲です。
サービスの規約と、モデルの規約は別に効く
サービスが許していても、モデル側が禁じていることがある。逆もあります。2つは別々に書かれていて、厳しいほうが効く。この二重構造が、成人向けをいちばんややこしくしています。
「このサイトは規制がゆるい」でサービスから選ぶと、モデル側の条件を見落とします。順番は逆です。まず使いたいモデルを決める。そのモデルの許可を見る。そのモデルが置いてあるサービスを選ぶ。
逆にすると、サービスを決めたあとで「使いたいモデルが無い」あるいは「あるけれど条件が合わない」という詰まり方をします。乗り換えれば済むと思われがちですが、そのころには絵柄が固まっているので、モデルを替えると作り直しに近くなる。
申告は自己申告。誰かが確かめた結果ではない
Civitai の投稿フォームには、成人向けかどうかのほかにも項目が並びます。「未成年のキャラクターを描くことを意図している」「NSFW の生成には使えない」など。どれも作者が自分で選ぶ形です。
投稿フォームは事前に審査する作りになっていません。作者が選び、後から問題になれば作者が負う。APIが返す値もその自己申告をそのまま持っています。
だから、申告が付いていないモデルが多数派でも、それは「安全なモデル」という意味になりません。付け忘れも、判断のずれも、そのまま残る。申告の有無は目安であって、審査の結果ではありません。
実務としては、申告に頼らず出力そのものを確かめるほうが確実です。rating_safe のような安全度のタグで入口を絞り、出したものを目で見る。この2段構えが、いまのところいちばん漏れが少ないやり方になります。タグの書き方は モデルの選び方の記事 にまとめました。
なお、ここで言えるのは「申告がこれだけ付いている」までです。その申告が正しいかどうかは、こちらでは確かめていません。申告の中身を検証した数字ではない、という前提で読んでください。
売る前に見る3つの層
- 1. モデル —— 配布ページの許可の欄。商用の値と、改変の値を分けて見る
- 2. 売り先 —— 出す場所の規約。禁止か、申告制か、制度が無いか
- 3. 題材 —— 描いたものが誰かのキャラや絵柄に寄っていないか
ここまでの話を、確認の順番に並べ直すとこの3つです。順番に意味があります。1を飛ばして3から考えると、確かめる対象がそもそも手元にない。
1. モデル —— 生成を始める前に開く
あとから見ると、作り直しになります。順番が逆だと、絵柄が固まってから条件を知ることになるからです。
配布ページの許可の欄には、ここまでで見た値が並んでいます。1枚出す前に開くだけで、後の手戻りが消えます。かかるのは数十秒です。
見るのは2つ。絵を売るなら商用側の値、モデルを配るなら改変側の値。両方やるなら両方です。何も書かれていないモデルは「許可されている」とは読めません。同時に「禁じられている」とも読めない。記載が無いだけです。
2. 売り先 —— 出す場所を決めてから作る
これが抜けやすい。モデルの条件を全部通しても、出す場所が受け付けなければ、そこで終わります。
先に決めておくと逆算できます。Skeb に納品するつもりなら、そもそもAIで作らない。DLsite なら申告して専用フロアに出す前提で、月の申請数と枚数の上限から逆算する。ココナラならイラストではなく別の形にする。
作ってから売り先を探すと、作り直しか、売り先を諦めるかの二択になります。
3. 題材 —— 「偶然出た」は通らない
描いたものが誰かのキャラや絵柄に寄っていないか。ここはモデルの許可欄とも、売り先のAI申告とも別に効きます。
pixiv は、偶然生成された作品であっても投稿者が責任を持つ必要があると規約に書いています。意図していなかった、で済ませられる設計にはなっていません。
実務としては、入口を絞るのが確実です。特定の作品名や作家名をプロンプトに入れない。そのキャラを再現するための LoRA を使わない。出したものを目で見る。3つの層は、どれかを通せば済むものではなく、全部を通す必要があります。
作るものが漫画なら、先に見ておく順番が変わります。系統を決める段階で許可欄を見ておかないと、描き上げてからの作り直しになります。その手順は AI漫画の作り方 に書きました。
使う前に確認すること
ここに出した数字は在庫全体の傾向です。個別のモデルを使うかどうかの判断には使えません。実際に使うモデルについては、そのモデルのページを開いて、作者が付けた許可の表示をその場で読むことになります。
値が同じでも、作者が別途ライセンス文書を添えていることがあります。ベースモデル側のライセンスが上乗せで効く場合もある。許可の値は入口であって、結論ではありません。
件数の多さは調査量ではありません。Civitai にそれだけ登録されている、という事実です。許可の値を英字のまま出しているのは、それが Civitai の画面に出ている語そのものだからです。
よくある質問
QCivitai の商用利用はどこで確認できますか?
モデルの配布ページに許可の欄があり、作者が選んだ値が表示されています。生成した絵を売るなら Image、モデルやマージを配るなら Sell と、見る欄が分かれます。欄が空のモデルは「許可されている」とは読めません。
QSell が付いていれば、そのモデルを売ってよいということですか?
Civitai の画面には「Sell this model or merges using this model」という説明が出ています。ただし、それがどこまでの法的な範囲を指すかは規約にも API のリファレンスにも書かれておらず、規約 9.4 がモデルごとの個別ライセンスに委ねています。使う前にモデルのページで作者の記載を確認してください。
Q許可の欄が空のモデルはどう扱えばいいですか?
許可されているとは読めません。同時に、禁じられているとも読めません。記載が無いだけです。作者に確認するか、条件が明記されたモデルを選ぶほうが確実です。
Q商用利用が許可されていれば、そのモデルを配ってもいいですか?
別の条件です。商用利用が書かれていても、改変や再配布が禁じられていることがあります。二次元でよく使われる系統では、改変不可が付いている割合が、商用の記載が無い割合より一けた多くなっていました。
QLoRA を当てて生成するのは「改変」にあたりますか?
できあがったモデルに LoRA を当てて画像を出すことは、派生モデルの作成ではありません。改変不可が効いてくるのは、マージや再学習で新しいモデルを作る場合です。ただし LoRA 側にも独立した利用条件が付いています。
Q許可がひとつも付いていないモデルは、個人利用もできないのですか?
この記事で数えているのは商用利用の許可だけです。個人利用の可否は別の条件で、ここからは分かりません。
Q作った絵はどこで売れますか?
売り先ごとにまるで違います。DLsite は申告すれば専用フロアで扱いますが、pixivFANBOX と Skeb は規約で禁止しています。ココナラはイラストだけ出品禁止で、AI生成の写真と文章は出せます。BOOTH には申告の制度そのものがありません。出す場所を先に決めてから作るほうが、作り直しになりません。
QAI生成であることを申告しないとどうなりますか?
DLsite は、申告が無くても同社の判断でAIのオプションを付ける場合があると書いています。申告漏れが疑われると、下書き・ラフを含む制作経緯のデータ(PSD等)の提出を求められます。pixiv も、チェックが無い作品に裁量でチェックを追加する場合があると規約に書いています。
Q版権キャラをAIで描いて売ってもいいですか?
この記事は法律の解釈を書きません。書けるのは規約の中身だけです。pixiv は、特定の第三者の作品に類似した投稿を反復継続する行為を禁止し、偶然生成された作品でも投稿者が責任を持つ必要があると明記しています。DLsite は他人の絵柄・画風の無許可かつ故意の模倣を禁じています。
Qベースモデルによって割合が違うのはなぜですか?
データからは分かりません。配布された時期や作者の層が影響している可能性はありますが、確かめられていないため書いていません。
Q表の件数と、いま Civitai にある件数が合いません
取り込みは継続中で、件数は増えます。各表に取得時点を入れています。また、取得しているのは公開APIが返す範囲で、Civitai の全件とは限りません。
Q生成した画像の著作権はどうなりますか?
この記事では扱っていません。ここで書いているのは、モデルに付けられた許可の値として何が公開されているかだけです。
参照
この記事で当たった一次情報(クリックで開く)
- Civitai 利用規約(9.4 Bespoke License/11.4 自動アクセス)/Civitai 公式ガイド(ライセンス欄の説明)/Civitai
- DLsite AI生成作品の取り扱い/AI生成作品・AI一部利用の基準/DLsite コンプライアンスポリシー
- FANZA同人 AI作品の表示について
- pixiv ガイドライン/pixiv 規約改定のお知らせ/pixivFANBOX AI生成コンテンツ
- BOOTH お知らせ(AI生成作品への対応)
- Skeb 利用規約
- ココナラ 出品禁止コンテンツ
- LINE Creators Market 利用規約
- Aipictors 利用規約
- ControlNet/sd-scripts LoRA学習ドキュメント
- 利用規約|ConoHa AI Canvas/PixAI 利用規約