
自分のパソコンで動かしているなら、誰にも知られない。Stable Diffusion をローカルで使う理由の多くはここにあります。
ところが実際に調べると、知られる経路はパソコンの外ではなく、出来上がった画像ファイルそのものにありました。公開されている画像を11枚ダウンロードして中を開いたところ、7枚に生成時の設定がまるごと残っていました。プロンプトの本文、除外の語、乱数の種、使ったモデル、そして使っているソフトの版と拡張機能の名前までです。
読み取れた項目は26種類。1枚あたり527字から1,665字ぶんの文字が、絵の中に入っていました。この記事では、その11枚で何が読めたのかを項目ごとに並べ、消す方法と、どの経路なら残らないのかを実測でまとめます。
あわせて「規制はあるのか」にも答えます。Stable Diffusion 1.5 のライセンス原文には、性的表現を禁じる条項が1つもありません。そのかわり、線を引いているのは別の場所でした。実測はすべて2026年9月3日のものです。
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※上記画像はCanva AIとAnime Geniusで制作
- 「バレる」には3つの意味がある
- 公開されている画像11件を落として中を開いた
- 拡張子はあてにならない
- API で出した画像には何も入っていなかった
- 画像から情報を消す3つの方法
- サービス側には何が残るのか
- 規制はあるのか
- どこまでの表現が実際に通るのか
- ローカルとクラウドを並べる
- 投稿サイトはメタデータをどう扱っているのか
- 絵そのものから分かること
- 「いつから規制されたのか」に答える
- 読み取れた26項目の一覧
- 読み取られると、実際に何が起きるのか
- 出す前にやること
- よくある質問
- ローカルで動かしていれば、誰にも分からないのですか?
- 画像に何が入っているか、自分で確かめる方法はありますか?
- JPEG で保存すれば消えますか?
- ファイル名が .jpg なら安全ですか?
- Stable Diffusion で成人向けの画像を作るのは違反ですか?
- API で作った画像なら、何も残らないということですか?
- 成人向けのプロンプトは、どこまで通りますか?
- プロンプトに年齢を書く必要はありますか?
- 生成が成功したかどうかは、どう確かめればいいですか?
- どのモデルを使ったかまで分かってしまうのですか?
- ローカルとクラウド、結局どちらを選べばいいですか?
- 設定を書き込む機能は、切っておくべきですか?
- 過去に投稿した画像はどうすればいいですか?
- 投稿サイトが自動で設定を表示してくれるのは、便利では?
- 拡張機能の設定まで読めると、何が問題なのですか?
- この記事の調べ方は、自分でもできますか?
- まとめ
- 出典
「バレる」には3つの意味がある
ローカルで動かせば安心、という考え方は2番目だけを見ています。たしかにサーバに記録は残りません。ですが1番目と3番目は、パソコンの中で完結させても消えません。
そして実際に困るのは、ほとんどが1番目です。作った画像を誰かに送る、SNSに上げる、投稿サイトに出す。その瞬間に、画像の中に入っているものも一緒に渡ります。
この記事で調べたこと
| 調べたもの | 何をしたか | 件数 |
|---|---|---|
| 公開されている画像 | 実際に配信されているファイルを落として中を開いた | 11件 |
| API で出した画像 | 6つの経路で自分で出したものを同じ方法で調べた | 6件 |
| 規約とライセンス | 原文から条項番号を控えた | 5本 |
| どこまで通るか | 服装を3段に分けて、同じ人物の指定で送った | 4モデル×3段 |
公開されている画像11件を落として中を開いた
調べ方は単純です。画像共有サイトで配信されている画像を11件ダウンロードして、画像として開いたときに一緒に付いてくる文字の領域を数えました。誰かのアカウントの中を覗いたわけではなく、ブラウザで表示できる画像をそのまま保存しただけです。
結果は7件。この7件はすべて PNG で、parameters という名前の文字の領域を持っていました。中に入っていたのはこういうものです。
7件すべてに入っていた項目
| 項目 | 何が分かるか | 入っていた件数 |
|---|---|---|
| プロンプト本文 | 何を書いて出したのか。全文 | 7 / 7 |
| Negative prompt | 何を除外したのか。全文 | 7 / 7 |
| Seed | 乱数の種。同じ絵を再現できる | 7 / 7 |
| Model | 使ったモデルの名前 | 7 / 7 |
| Model hash | モデルの指紋。名前を変えても同一だと分かる | 7 / 7 |
| Steps | ステップ数 | 7 / 7 |
| Sampler | 使ったサンプラー | 7 / 7 |
| CFG scale | CFG の値 | 7 / 7 |
| Size | 生成時の解像度 | 7 / 7 |
| Denoising strength | 描き直しの強さ | 7 / 7 |
| Hires upscale / steps / upscaler | 拡大の倍率・歩数・使った拡大器 | 7 / 7 |
| Version | 使っているソフトとその版 | 7 / 7 |
一部にだけ入っていた項目
| 項目 | 何が分かるか | 入っていた件数 |
|---|---|---|
| Clip skip | テキストの読み方の設定 | 4 / 7 |
| ADetailer の設定8項目 | 顔を描き直す拡張機能を入れていること。その設定値まで | 3 / 7 |
| Schedule type | スケジューラの種類 | 3 / 7 |
| Hires Module 1 | 拡大まわりの追加設定 | 3 / 7 |
| LoRA の名前 | どの追加学習を当てたのか | 2 / 7 |
| Lora hashes / TI hashes | 追加学習の指紋 | 2 / 7 |
| ファイルの絶対パス | パソコンの中の場所。ユーザー名が入ることがある | 0 / 7 |
絶対パスは1件もありませんでした。ここは安心してよい部分です。ただし残りは全部読めます。
いちばん重いのは「ソフトの版」と「拡張機能」
プロンプトが読まれるのは、多くの人が予想している範囲だと思います。予想外なのは Version と ADetailer のほうです。
Version には、使っているソフトの名前と版番号がそのまま入ります。ADetailer が入っていれば、その拡張機能をインストールしていることと、どう設定しているかが分かります。3件では、顔を描き直す範囲やぼかしの強さまで読めました。
これらが1枚ずつ揃うと、複数の投稿が同じ環境から出ていることを突き合わせられます。版番号・拡張の構成・モデルの指紋・LoRA の組み合わせは、環境ごとにかなり違います。名前を伏せて別の場所に投稿しても、同じ組み合わせなら結び付けられる余地が残ります。
7件から読めたものをまとめると
- 書いた文章と、除外した語が全文そのまま
- 同じ絵をもう一度出すのに必要な値が全部そろっている
- 使っているモデルが、名前と指紋の両方で特定できる
- 使っているソフトの版と、入れている拡張機能が分かる
- 当てた LoRA の名前が分かることがある
拡張子はあてにならない
調べていて厄介だったのが、ファイル名の拡張子と中身が一致していなかったことです。
11件のうち、拡張子が .jpeg なのに中身が PNG だったものが7件ありました。そして設定が残っていたのは、まさにその7件です。
| 拡張子 | 実際の形式 | 件数 | 設定が読めたか |
|---|---|---|---|
| .jpeg | PNG | 7 | 7件とも読めた |
| .jpeg | JPEG | 4 | 読めなかった |
つまり、「JPEG で保存したから大丈夫」という判断は、拡張子を見ただけでは成り立ちません。名前が .jpg でも中身が PNG なら、文字の領域はそのまま生きています。
JPEG なら安全とも言い切れない
形式が本当に JPEG だった4件では、生成の設定は読めませんでした。ただし、この4件にも Exif という別の領域があり、そこには何かが入っています。今回はカメラ関連の識別子が1つだけで、生成の設定は含まれていませんでした。
JPEG は Exif にコメントを入れられる形式なので、ソフトによっては同じ内容がそちらに書かれることがあります。形式が違えば安全、ではなく、入る場所が変わるだけと考えるほうが実態に合います。
API で出した画像には何も入っていなかった

比較のために、自分で6つの経路から画像を出して、まったく同じ方法で調べました。
| 出した経路 | 形式と大きさ | 文字の領域 | 設定が読めたか |
|---|---|---|---|
| getimg.ai(生成) | PNG 512×768 | 0個 | 読めない |
| getimg.ai(4倍に拡大) | PNG 2048×3072 | 0個 | 読めない |
| Venice(アニメ系モデル) | PNG 832×1216 | 0個 | 読めない |
| Venice(写実系モデル) | PNG 1248×1824 | 0個 | 読めない |
| Venice(汎用モデル) | PNG 1248×1824 | 0個 | 読めない |
| SoulGen | JPEG 1536×2304 | 0個 | 読めない |
6つとも1文字も入っていませんでした。バイナリを直接検索して、プロンプトに使った語が残っていないかも確かめましたが、こちらも0件です。
ここに逆転があります。手元のパソコンで動かしたほうが、画像に情報が残ります。ソフトが親切に書き込んでくれるからです。設定を後から見返せる便利な機能なのですが、そのまま外に出すと全部が付いていきます。
経路ごとの残り方
- ローカルのソフトで出したもの … 設定が書き込まれる。実物11件のうち7件で読めた
- API で出したもの … 6つの経路とも1文字も入っていなかった
- Web の画面から出したもの … サービスによる。保存前に確かめる
画像から情報を消す3つの方法
残っているかどうかを確かめて、要らなければ消します。順番に難しくなりますが、いちばん上の方法でほとんど片付きます。
1 出力の設定で書き込みを止める
ローカルのソフトには、生成情報を画像に書き込むかどうかの設定があります。設定画面の保存まわりを見ると、生成パラメータを PNG に埋め込む項目が用意されているのが普通です。ここを切れば、そもそも書かれません。
ただし切ると自分でも後から読めなくなります。手元の作業用は書き込んだまま残し、外に出すぶんだけ別に作るのが扱いやすい形です。
2 別の形式で保存し直す
PNG を JPEG や WebP で保存し直すと、PNG 固有の文字の領域は引き継がれません。今回調べた実物でも、本当に JPEG だった4件からは生成の設定が読めませんでした。
注意が2つあります。ひとつは絵が劣化すること。もうひとつは、前の節で書いたとおりExif という別の領域が残ることです。変換したら、変換後のファイルをもう一度確かめます。
3 メタデータを落とすツールを通す
形式を変えずに文字の領域だけを落とす方法もあります。画像編集ソフトの書き出し設定に、メタデータを含めないという選択肢が用意されていることが多く、そこを外して書き出せば済みます。
手数は増えますが、絵の劣化がなく、Exif も一緒に落とせるのが利点です。まとめて処理したいときはこちらが向いています。
消えたかどうかの確かめ方
大事なのは消したつもりで終わらせないことです。確かめる方法は3通りあります。
| 方法 | やること | 分かること |
|---|---|---|
| 投稿サイトに読ませる | 画像を投稿する画面に置いて、設定が自動で拾われるか見る | いちばん手軽。拾われたら残っている |
| ファイルの大きさを比べる | 元と処理後のバイト数を見る | 目安にしかならない。絵の内容でも変わる |
| 画像として開いて文字の領域を数える | この記事でやった方法 | 確実。何が何文字入っているかまで出る |
いちばん上の方法が現実的です。投稿画面が設定を自動で読み取ってきたら、それはそのまま公開されるということです。読み取られなければ、少なくともその項目は入っていません。
消すときの順番
- まず出力設定で書き込みを止める。ここで大半が片付く
- すでに作ってしまったものは、変換するか落とすツールを通す
- 処理後のファイルを必ず1回確かめる。消したつもりで終わらせない
- 拡張子を見ただけで判断しない。名前と中身が違うことがある
サービス側には何が残るのか
ここからが2番目の経路です。クラウドのサービスを使うと、入力した文章と出てきた画像が相手のサーバを通ります。それがどう扱われるかは、各社のプライバシーポリシーに書かれています。
保存しないと明記しているところがある
今回調べたなかで、いちばんはっきり書いていたのが Venice でした。
we will not have access to or store the content of your Prompts or Outputs
当社は、あなたのプロンプトおよび出力の内容にアクセスすることも、保存することもありません。
Venice Privacy Policy, Prompts and Outputs — venice.ai
モデルを動かしている先についても、別に条項があります。
our model providers are prohibited from storing, retaining, or using any of your Prompts or Outputs beyond the time strictly necessary to process
当社のモデル提供者は、処理に厳密に必要な時間を超えて、あなたのプロンプトまたは出力を保存し、保持し、または利用することを禁じられている。
Venice Privacy Policy, Model Providers — venice.ai
同じ条項には、モデル提供者はプロンプトの内容を受け取りうるとも書かれています。処理のために渡ること自体は避けられず、そのうえで保存を禁じている、という構造です。
読むときに見る4か所
どのサービスでも、確かめる場所は同じです。「保存するか」と「学習に使うか」は別の話なので、両方を探します。
| 見るところ | 探す言い回し | 意味 |
|---|---|---|
| 入力の扱い | Prompts / Inputs を store するか | 書いた文章がサーバに残るか |
| 出力の扱い | Outputs を retain するか | できた画像が残るか |
| 学習利用 | train / improve our models | 次のモデルの材料になるか |
| 第三者への提供 | Model Providers / Vendors | 処理のためにどこまで渡るか |
「保存しない」と書いてあっても、学習に使うかどうかは別の条項にあります。逆に「学習に使わない」とだけ書いてあって、保存については触れていないこともあります。片方だけを読んで結論を出さないでください。
クラウドを使うときの整理
- 保存するかと、学習に使うかは別の条項。両方を読む
- 処理のためにモデル提供者へ渡ること自体は、どこでも起きる
- 「保存しない」と書いてあるサービスもある。書いていないところと混ぜない
- ログインして使う場合は、アカウントに紐づく記録が別に増える
規制はあるのか
もうひとつの心配が「規制」です。結論から書くと、モデル本体のライセンスには、成人向けの表現を禁じる条項がありません。
ライセンスの使用制限は11項目ある
Stable Diffusion 1.5 のライセンスは CreativeML Open RAIL-M です。使ってはいけない用途は末尾の Attachment A に11項目でまとまっていて、性に関わるのは1つだけでした。
For the purpose of exploiting, harming or attempting to exploit or harm minors in any way;
未成年者をいかなる方法によっても搾取し、加害し、またはそれを試みる目的のため。
CreativeML Open RAIL-M, Attachment A(Use Restrictions)— huggingface.co
残る10項目は、法令違反・虚偽情報の拡散・個人情報の悪用・名誉毀損・差別・医療助言などです。成人向けの表現そのものを禁じる文言は、どこにもありません。
生成物の権利は主張されない
Except as set forth herein, Licensor claims no rights in the Output You generate using the Model. You are accountable for the Output you generate and its subsequent uses.
本ライセンスに定める場合を除き、ライセンサーは、あなたが本モデルを用いて生成した出力に対していかなる権利も主張しない。あなたは、生成した出力とその後の利用について責任を負う。
CreativeML Open RAIL-M 第6条(The Output You Generate)— huggingface.co
権利を主張しないかわりに、責任はこちらが持ちます。ローカルで動かしているぶんには、線を引いているのは未成年に関する条項と、それぞれの国の法律です。
同じ名前でも、提供元の API は別の規約で動く
ここが混同されやすいところです。Stability AI が提供している API は、上のライセンスではなく同社の Acceptable Use Policy に従います。
content relating to sexual intercourse, sexual acts, or sexual violence
性交、性行為、または性暴力に関するコンテンツ。
Stability AI Acceptable Use Policy — stability.ai
実際に同社の API へ成人向けのプロンプトを送ると、403 が返って生成そのものが行われません。課金もされません。規約と挙動が一致しています。
つまり「Stable Diffusion だから大丈夫」という言い方は成り立ちません。手元で動かすモデル本体と、誰かのサーバで動かす API は、別の文書に従っています。
3つの層に分かれている
- モデル本体のライセンス … 成人向けを禁じていない。未成年の条項だけがある
- 生成を代行するサービスの規約 … 会社ごとに違う。禁じているところがある
- 公開する場所の規約 … 作れることと出せることは別
どこまでの表現が実際に通るのか

規約を読むだけでは、実際にどこまで通るのかは分かりません。そこで同じ人物の指定のまま、服装だけを3段に変えて、4つのモデルに送りました。着衣・下着・ヌードの3段です。
| 送った内容 | lustify-v8 | lustify-sdxl | wai-Illustrious | chroma |
|---|---|---|---|---|
| ドレス・ホテルのラウンジ | 通った | 通った | 通った | 通った |
| 下着・寝室 | 通った | 通った | 通った | 通った |
| ヌード・寝室 | 通った | 通った | 通った | 通った |
12枚とも生成されました。ぼかしも拒否もありません。プロンプトには 25 years old と adult を明記しています。
段を6つに増やしても同じだった

3段では粗いので、着衣・水着・濡れた服・下着・背面・ヌードの6段に分けて出し直しました。アニメ系と写実系の2モデルで、合わせて12枚です。
| 段 | 指定した内容 | アニメ系 | 写実系 |
|---|---|---|---|
| 1 着衣 | ドレス・ホテルのラウンジ | 通った | 通った |
| 2 水着 | 面積の小さい水着・プールサイド | 通った | 通った |
| 3 濡れた服 | 濡れた白いシャツ・透ける | 通った | 通った |
| 4 下着 | レースの上下・寝室 | 通った | 通った |
| 5 背面 | 後ろ姿の裸・寝室 | 通った | 通った |
| 6 ヌード | 正面の裸・寝室 | 通った | 通った |
6段とも、2モデルとも通りました。段を細かくしても結果は変わりません。露出の度合いは判定の材料になっていないということです。
年齢を示す語を必ず入れる
ここが実務上いちばん大事な点です。成人であることを文章の中で明示しておくと、通ります。逆に、年齢の手がかりが曖昧なまま学生を思わせる語を入れると、露出が少なくても弾かれることがあります。
ライセンスの使用制限11項目で唯一残っているのが未成年に関する条項でした。サービス側の判定も同じ方向を向いています。肌の面積ではなく、人物が成人として描かれているかどうかを見ています。
成人向けを扱うときのプロンプトの作法
- 年齢を数字で書く。25 years old のように明記する
- adult や woman を入れて、成人であることを重ねて示す
- 学校・制服・教室といった語は入れない。露出と無関係に判定へ影響する
- 返ってきた画像は必ず開く。結果の数字だけを見ない
返り値だけを信用しない
もうひとつ、確かめ方の話をしておきます。生成が行われなかったときでも、通信としては正常に見えることがあります。
| 見るところ | 何を確かめるか | 今回の12枚 |
|---|---|---|
| 通信の結果 | 正常かどうか。ただしこれだけでは足りない | 12件とも正常 |
| ファイルの大きさ | 極端に小さいものが混ざっていないか | 1.6MB から 5.7MB |
| 画像を開く | 本当に絵になっているか | 12件とも絵になっていた |
複数のモデルでファイルの大きさが不自然にそろっていたら、中身が同じものを疑います。数字だけを追わずに、1枚は必ず開いてください。
絵柄はモデルで決まる

同じ文章を同じ種で送っても、モデルが変われば別物になります。写実系の2つは実写に近い方向へ、アニメ系はイラストの方向へ寄ります。汎用のものはその中間でした。
ここは規約とも関わります。実写に見えるものと、絵に見えるものを分けて扱う規約が存在するからです。同じプロンプトでも、モデルの選択がそのまま扱いの違いにつながることがあります。
ローカルとクラウドを並べる
| 項目 | ローカル | クラウド | 実測 |
|---|---|---|---|
| 画像に残る設定 | 残る | 残らなかった | 実物11件中7件 対 6経路中0件 |
| サーバに残る記録 | 残らない | 規約による | 保存しないと明記する社がある |
| 表現の制限 | ライセンスの11項目のみ | 会社ごとに違う | 拒否する社と通す社の両方を確認 |
| 未成年に関する制限 | ライセンスに明記 | サービス側も同じ方向を見ている | 年齢を明記した12枚は全部通った |
| 費用 | 電気代と機材 | 1枚あたりの従量 | 安いところで1枚0.1円未満 |
| 細かい設定 | 全部いじれる | 口による | 数値で指定できるところもある |
選び方は目的で決まる
どちらが安全か、という問いにはひとことで答えられません。残る場所が入れ替わるだけだからです。
手元に全部を置いておきたいならローカル。ただし外に出すファイルからは必ず設定を落とします。そこを省くと、ローカルにした意味がほとんどなくなります。
手軽さを取るならクラウド。ただし使う前に、保存と学習利用の2つの条項を読みます。読まずに使うと、何が残るのかを自分で説明できません。
投稿サイトはメタデータをどう扱っているのか
ここまでは自分の手元の話でした。出した先がどう扱うかも、実物で確かめられます。
剥がすところと、そのまま配るところがある
今回ダウンロードした11件は、投稿サイトが実際に配信しているファイルです。つまり、投稿されたものがそのまま外に出ています。
7件で設定が読めたということは、そのサイトは投稿時に文字の領域を落としていないということです。落とすサイトなら、11件とも0件になっていたはずです。
| サイト側の作り | 起きること | 今回の実測 |
|---|---|---|
| そのまま配る | 投稿したファイルの中身が全部渡る | 7 / 11 件がこれだった |
| 剥がして配る | 設定は読めなくなる | 形式が JPEG の4件は読めなかった |
| 剥がして、別に保存する | ファイルからは読めないが、サイト側は持っている | 画面に設定を表示するサイトがある |
3つ目が見落とされがちです。投稿画面が設定を自動で読み取って表示するサイトでは、ファイルを剥がしても意味がありません。読み取られた内容がサイト側に保存され、そのまま公開されます。
公開設定と、ファイルの中身は別
投稿を非公開にしても、すでに配ったファイルの中身は戻せません。メッセージで直接送ったもの、以前に公開していたもの、誰かが保存したもの。どれも手元を離れています。
だから順番が大事になります。出す前に消す。出したあとで消すことはできません。
投稿する前に見るところ
- 投稿画面が設定を自動で読み取ってこないか。読み取ったら残っている
- 読み取った内容を公開するかどうかの切り替えがあるか
- ダイレクトメッセージで送るファイルは、たいてい何も剥がされない
- 一度出したファイルは回収できない。出す前に処理する
絵そのものから分かること
3番目の経路です。メタデータを全部落としても、絵は残ります。ここから分かることもあります。
モデルごとの癖は絵に出る

同じ文章のまま、乱数の種だけを変えて3枚ずつ出しました。上段の3枚は互いにそろい、下段の3枚も互いにそろっています。そして上下は見ればすぐ分かるほど違います。種が変われば構図もポーズも変わるのに、絵柄だけは動きません。同じ系統のモデルを使い続けていれば、作品の傾向はそろいます。
これは隠しようがありません。作風は指紋のようなもので、消す方法がありません。むしろ作品として積み上げる側面なので、消す必要もないはずです。
手と背景の破綻は、条件で入れ替わる
もうひとつ、絵を見れば分かるものがあります。手の指の数、腕の付き方、背景の文字らしきもの。生成されたものだと気づかれる典型がここです。
実測して分かったのは、これは語では直しにくいということです。除外の欄に手まわりの語を9つ並べても、3つの乱数の種すべてで手が崩れたままでした。確実だったのは構図を変えることで、上半身だけの構図にしたら3枚とも手が画面に入らなくなりました。
| やったこと | 結果 | 確かめた件数 |
|---|---|---|
| 除外の欄に手まわりの語を9つ並べる | 直らなかった | 乱数の種3つ |
| 構図を上半身だけに変える | 3枚とも手が画面から消えた | 乱数の種3つ |
破綻を消したいなら、難しいものを直すより画面から外すほうが早いという結論になります。衣装や表情を見せたい絵なら、手は要りません。
設定を落としても、絵柄までは消えない
ここまでは1番目の経路の話でした。ファイルから全部落としても、3番目は残ります。
同じ文章を同じ乱数の種で4つのモデルに送った結果を並べると、写実系とアニメ系は見ればすぐ分かるほど違いました。同じ系統を使い続けていれば、作品の傾向はそろいます。ここは消す方法がありません。
もっとも、これは消す必要のないものです。作風は積み上げるもので、隠すものではありません。困るのは1番目だけ、と割り切って構いません。
「いつから規制されたのか」に答える
検索でよく並ぶのが「規制はいつからか」「規制なし」「規制解除」といった言葉です。ここは前提を1つ整理すると、ほとんど解けます。
モデルのライセンスは世代ごとに別物
Stable Diffusion は1つのものではなく、世代がいくつもあります。そして世代ごとにライセンスが違います。
この記事で読んだ CreativeML Open RAIL-M には、文書の冒頭に dated August 22, 2022 と日付が書かれています。1.5 系のモデルはこの文書に従います。一方、あとの世代は提供元が別のライセンスを用意していて、年間の売上規模で条件を分けるなど、成り立ちがまったく違います。
ですから「規制はいつからか」という問いは、どの世代のどのモデルを指しているのかが決まらないと答えが出ません。手元にあるモデルのファイルが、どの世代のどのライセンスに従うのかを先に確かめることになります。
「規制」の中身は3つに分かれる
| よく言われる「規制」 | 実際に何を指しているか | どこを読めばよいか |
|---|---|---|
| モデルが配布されなくなった | 公開場所が変わったり、配布が止まったりする | 配布元の告知 |
| サービスで作れなくなった | その会社の利用規約が変わった | Acceptable Use Policy |
| 投稿できなくなった | 投稿先のルールが変わった | 投稿先のガイドライン |
3つとも別の話です。モデルのライセンスが変わっていなくても、使っているサービスの規約が変われば作れなくなります。逆に、あるサービスで止められても、手元のモデルには何の変化もありません。
手元のモデルは後から変わらない
すでにダウンロードしてあるモデルのファイルは、誰かが後から書き換えることはできません。ライセンスの条件は取得した時点のものが適用されます。
ただしライセンスには、提供元が違反時に利用を制限できるという条項が置かれています。何をしてもよいという意味ではありません。
調べる順番
- 使っているモデルがどの世代で、どのライセンスかを確かめる
- そのライセンスの使用制限の項目を、最後まで読む
- サービスを使うなら、その会社の規約を別に読む
- 投稿するなら、投稿先のルールをさらに別に読む
読み取れた26項目の一覧
あとから照らし合わせられるように、11件から実際に読み取れた項目をすべて並べます。手元の画像に同じ名前が入っていたら、それは外から読める状態です。
| 項目名 | 種類 | 何が分かるか | 件数 |
|---|---|---|---|
| parameters | 入れもの | 以下すべてが入っている領域の名前 | 7 |
| (プロンプト本文) | 指示 | 書いた文章がそのまま | 7 |
| Negative prompt | 指示 | 除外した語がそのまま | 7 |
| Steps | 生成設定 | ステップ数 | 7 |
| Sampler | 生成設定 | 使ったサンプラー | 7 |
| CFG scale | 生成設定 | CFG の値 | 7 |
| Seed | 生成設定 | 乱数の種。再現に必要 | 7 |
| Size | 生成設定 | 生成時の解像度 | 7 |
| Model | 環境 | モデルの名前 | 7 |
| Model hash | 環境 | モデルの指紋。名前を変えても一致する | 7 |
| Denoising strength | 生成設定 | 描き直しの強さ | 7 |
| Hires upscale | 生成設定 | 拡大の倍率 | 7 |
| Hires steps | 生成設定 | 拡大したあとの歩数 | 7 |
| Hires upscaler | 環境 | 使った拡大器の名前 | 7 |
| Version | 環境 | 使っているソフトとその版 | 7 |
| Clip skip | 生成設定 | テキストの読み方の設定 | 4 |
| Schedule type | 生成設定 | スケジューラの種類 | 3 |
| Hires Module 1 | 環境 | 拡大まわりの追加設定 | 3 |
| ADetailer model | 環境 | 顔を描き直す拡張機能を入れていること | 3 |
| ADetailer prompt | 指示 | 描き直すときの指示文 | 3 |
| ADetailer negative prompt | 指示 | 描き直すときの除外 | 3 |
| ADetailer confidence | 生成設定 | 検出の閾値 | 3 |
| ADetailer mask blur | 生成設定 | 描き直す範囲のぼかし | 3 |
| ADetailer denoising strength | 生成設定 | 描き直しの強さ | 3 |
| ADetailer inpaint padding | 生成設定 | 描き直す範囲の余白 | 3 |
| ADetailer version | 環境 | その拡張機能の版 | 3 |
| Lora hashes / TI hashes | 環境 | 当てた追加学習の指紋と名前 | 2 |
種類ごとに見ると3つに分かれる
| 種類 | 分かること | 消せるか |
|---|---|---|
| 指示 | 何を書いたか | 消せる |
| 生成設定 | どう出したか。再現できる | 消せる |
| 環境 | 何を使っているか。突き合わせの材料になる | 消せる |
3種類とも、書き込みを止めれば最初から入りません。あとから消すより、書き込まない設定にしておくほうが確実です。
読み取られると、実際に何が起きるのか
項目が並んでいるだけでは、どのくらい困るのかが分かりません。読めた26項目から、具体的に何ができてしまうのかを整理します。
同じ絵をもう一度出せる

実際にやってみました。プロンプト・除外の語・乱数の種・モデル・ステップ数・CFG を同じにして、2回続けて出しました。
結果は完全一致です。画素を1つずつ突き合わせて、違っていた画素は 0.00%。ファイルのバイト数まで同じでした。
| 比べたもの | 変わった画素 | 読み方 |
|---|---|---|
| 同じ設定で2回(このサービス) | 0.00% | 完全に同じ絵が出る |
| 同じ設定で2回(別のサービス) | 7.3〜10.2% | 構図は同じだが細部が毎回変わる |
サービスによって、ここは分かれます。細部までそろうところと、構図は同じでも毎回わずかにぶれるところがあります。いずれにしても、読み取れた項目だけで「ほぼ同じ絵」までは必ず戻せます。
プロンプト・除外の語・乱数の種・モデル・サンプラー・ステップ数・CFG。この7つがそろうと、同じ絵が再現できます。調べた7件すべてに、この7項目が入っていました。
これ自体は悪いことばかりではありません。設定を共有して学び合う文化があるので、公開している人は承知のうえで載せていることもあります。困るのは、承知していないまま出しているときです。
別々の投稿が結び付く
いちばん見落とされているのがここです。ソフトの版・入れている拡張機能とその設定値・モデルの指紋・当てた LoRA。この組み合わせは、環境ごとにかなり違います。
3件では、顔を描き直す拡張機能の設定が8項目ぶん読めました。描き直す範囲、ぼかしの強さ、余白の取り方まで数値で入っています。ここまで細かい値が一致するなら、同じ環境から出たものだと考える手がかりになります。
名前を伏せて別の場所に投稿しても、ファイルの中身のほうは伏せていないことになります。
使っているモデルが特定される
モデルは名前と指紋の両方が入っていました。指紋はファイルの中身から計算されるので、名前を変えても同じものだと判別できます。
使ったモデルが分かると、そのモデルの配布ページに書かれた条件がそのまま自分に掛かることも分かります。商用利用の可否や、生成物の扱いはモデルごとに違います。伏せているつもりでも、条件のほうは追いかけられます。
起きないことも書いておく
誇張しないために、今回の11件で入っていなかったものも並べます。
| 入っていなかったもの | 件数 | 補足 |
|---|---|---|
| パソコンの中のファイルの場所 | 0 / 7 | ユーザー名が混ざることがある項目。今回は無し |
| IPアドレス | 0 / 11 | 画像ファイルには入らない |
| 氏名やアカウント名 | 0 / 11 | 投稿先の表示とは別 |
| 撮影位置などの位置情報 | 0 / 11 | カメラで撮った写真とは事情が違う |
つまり、身元がそのまま書いてあるわけではありません。読めるのは環境と手順です。それでも、複数の投稿を突き合わせる材料としては十分に細かい、というのが実測して分かったことです。
読めた項目でできること
- 同じ絵をもう一度出す。必要な7項目が全件そろっていた
- 環境の組み合わせで、別々の投稿を突き合わせる
- 使っているモデルを、名前と指紋の両方から特定する
- 身元そのものは書かれていない。読めるのは環境と手順
出す前にやること
経路によってやることが違います。3通りに分けて手順にします。
ローカルのソフトで作った画像
いちばん残ります。出力の設定で書き込みを止めるのが最短です。
| 順番 | やること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 1 | 設定画面の保存まわりで、生成情報を書き込む項目を切る | 切ったあと1枚出して確かめる |
| 2 | すでにある画像は、変換するか落とすツールを通す | 処理後のファイルで確かめる |
| 3 | 投稿画面に置いて、設定が読み取られないことを見る | 読み取られたら残っている |
手元の作業用は書き込んだまま残しておくと、あとから設定を見返せます。外に出すぶんだけ別に用意するのが扱いやすい形です。
API で作った画像
今回の6経路では何も入っていませんでしたが、使う口が変われば結果も変わります。1回だけ確かめておけば済みます。
確かめ方は同じで、出てきた画像を投稿画面に置いてみるだけです。読み取られなければ入っていません。そのうえで、サービス側の記録については規約を読みます。ファイルに残らないことと、サーバに残らないことは別です。
Web の画面で作った画像
サービスによって作りが違います。ダウンロードしたファイルをそのまま確かめるのが確実です。
加えて、そのサービスの中に作った画像が残っているかどうかも見ます。履歴として残る作りなら、アカウントを消すまで残ります。消し方が用意されているかを、使い始める前に見ておくと後が楽です。
3通りに共通してやること
- 出す前に1回、投稿画面に置いて読み取られるか見る
- 拡張子ではなく中身で判断する
- 一度出したファイルは回収できない。順番を逆にしない
- ファイルに残るかと、サーバに残るかは別に確かめる
よくある質問
ローカルで動かしていれば、誰にも分からないのですか?
サーバに記録は残りません。ですが画像ファイルの中には残ります。実際に配信されている画像を11件調べたところ、7件からプロンプト本文・乱数の種・使ったモデル・ソフトの版まで読み取れました。ローカルで完結させても、そのファイルを誰かに渡した時点で中身も一緒に渡ります。
画像に何が入っているか、自分で確かめる方法はありますか?
いちばん手軽なのは、投稿サイトの投稿画面に置いてみることです。多くのサイトは、置いた画像から設定を自動で読み取って表示します。読み取られたら、それはそのまま公開されます。読み取られなければ、少なくともその項目は入っていません。
JPEG で保存すれば消えますか?
PNG 固有の領域は引き継がれないので、生成の設定は落ちます。ただし2つ注意があります。ひとつは絵が劣化すること。もうひとつは Exif という別の領域が残ることです。今回調べた JPEG の4件にも Exif はありました。生成の設定は入っていませんでしたが、ソフトによってはそちらに書かれることがあります。変換したら、変換後をもう一度確かめてください。
ファイル名が .jpg なら安全ですか?
いいえ。今回調べた11件のうち7件は、拡張子が .jpeg なのに中身が PNG でした。そして設定が読めたのは、まさにその7件です。名前と中身は一致しないことがあります。判断は中身で行ってください。
Stable Diffusion で成人向けの画像を作るのは違反ですか?
モデル本体のライセンスに限れば、違反にはあたりません。Stable Diffusion 1.5 のライセンスの使用制限11項目に、成人向けの表現を禁じる条項はありません。性に関わるのは未成年に関する1項目だけです。生成物についても、第6条で「ライセンサーは権利を主張しない」と明記されています。ただしサービスを経由する場合は、その会社の規約が別に掛かります。
API で作った画像なら、何も残らないということですか?
今回調べた6つの経路では、1文字も入っていませんでした。ただしこれは「画像ファイルに残らない」という意味であって、サービス側に記録が残るかどうかは別の話です。そちらはプライバシーポリシーの「保存するか」と「学習に使うか」の2か所を読んで確かめます。
成人向けのプロンプトは、どこまで通りますか?
実測では、着衣・下着・ヌードの3段とも、4つのモデルすべてで通りました。合計12枚、ぼかしも拒否もありません。ただしこれは年齢を数字で明記した場合の結果です。プロンプトには 25 years old と adult を入れています。
プロンプトに年齢を書く必要はありますか?
書いてください。ライセンスの使用制限11項目で唯一残っているのが未成年に関する条項で、サービス側の判定も同じ方向を見ています。見ているのは肌の面積ではなく、人物が成人として描かれているかどうかです。年齢の手がかりが曖昧なままだと、露出が少なくても意図しない扱いになることがあります。学校・制服・教室といった語は、露出と無関係に判定へ影響します。
生成が成功したかどうかは、どう確かめればいいですか?
返ってきた画像を実際に開いてください。通信の結果が正常でも、中身が絵になっているとは限りません。手がかりはファイルの大きさで、複数のモデルで不自然に同じ大きさのファイルがそろったら、中身も同じものを疑います。今回の12枚は1.6MBから5.7MBまで幅があり、開いてもすべて絵になっていました。
どのモデルを使ったかまで分かってしまうのですか?
分かります。調べた7件すべてに、モデルの名前と指紋の両方が入っていました。名前は変更できますが、指紋は中身から計算されるので、名前を変えても同じモデルだと判別できます。2件では、当てた LoRA の名前まで入っていました。
ローカルとクラウド、結局どちらを選べばいいですか?
残る場所が入れ替わるだけなので、どちらが安全とは言えません。手元に全部を置きたいならローカルですが、外に出すファイルから設定を落とす手間が毎回かかります。そこを省くと、ローカルにした意味がほとんど消えます。手軽さを取るならクラウドで、使う前に保存と学習利用の2つの条項を読むことが条件になります。
設定を書き込む機能は、切っておくべきですか?
用途で分かれます。自分だけで使うぶんには、書き込んであるほうが便利です。気に入った絵の設定を後から取り出せますし、同じ条件でもう一度出すこともできます。この記事で紹介した「同じ設定で2回出して差を測る」といった作業も、記録が残っていないとできません。
問題は、その便利さのまま外に出してしまうことです。手元は書き込んだままにして、外に出すぶんだけ落とす。この形が扱いやすいと思います。書き込みを完全に切ると、自分でも読めなくなります。
過去に投稿した画像はどうすればいいですか?
すでに配ったファイルは回収できません。投稿を消しても、保存した人の手元には残ります。
できるのは2つです。ひとつは、これから出すぶんについて手順を決めること。もうひとつは、過去の投稿を差し替えられるサイトなら、処理し直したファイルに置き換えることです。差し替えても保存済みのものには効きませんが、これから見る人には効きます。
投稿サイトが自動で設定を表示してくれるのは、便利では?
便利です。設定を共有して学び合う文化があるので、公開している人の多くは承知のうえで載せています。この記事も、その仕組みがあったから実測できました。
問題になるのは、知らないまま出しているときです。プロンプトを見られたくない、使っている環境を知られたくない、という場面で、自動で読み取られていることに気づいていない。そこだけが困ります。仕組みが悪いのではなく、知らずに使うのが困るという話です。
拡張機能の設定まで読めると、何が問題なのですか?
単体では問題になりません。効いてくるのは、複数の投稿を突き合わせるときです。
実測では、顔を描き直す拡張機能の設定が8項目ぶん読めました。検出の閾値、ぼかしの強さ、余白の取り方まで数値で入っています。ここに使っているソフトの版、モデルの指紋、当てた LoRA が加わります。この組み合わせが一致するなら、同じ環境から出たものだと考える手がかりになります。名前を伏せて別の場所に投稿しても、ファイルの中身は伏せていないことになります。
この記事の調べ方は、自分でもできますか?
できます。いちばん手軽なのは、投稿サイトの投稿画面に画像を置いてみることです。設定が自動で読み取られたら、それはファイルに入っているということです。特別な道具は要りません。
もっと細かく見たいなら、画像を扱えるソフトで開いて文字の領域がいくつあるかを数えます。この記事の数字は、その方法で出しました。項目名と文字数まで分かります。
まとめ
「ローカルならバレない」という考え方は、3つある経路のうち1つしか見ていません。実際に調べると、いちばん情報が残っていたのは画像ファイルそのものでした。
この記事で確かめたこと
- 配信されている画像11件のうち7件から、生成時の設定が26項目読み取れた
- 読めたのはプロンプト本文だけでなく、使っているソフトの版・拡張機能・LoRA の名前まで
- 拡張子が .jpeg でも中身が PNG のことがある。7件がそうだった
- API で出した6経路の画像には、1文字も入っていなかった
- Stable Diffusion 1.5 のライセンスに、成人向けを禁じる条項は無い
- 提供元の API は別の規約で動いていて、そちらは名指しで禁じている
- 年齢を明記すれば、着衣から裸まで通った。4モデル×3段と、2モデル×6段の合計24枚
- 見られているのは露出ではなく、人物が成人として描かれているか。段を6つに細かくしても同じ
- 読み取れた項目だけで2回出したら、1画素も違わない同じ絵になった
調べていて意外だったこと
2つありました。ひとつは拡張子と中身が一致していなかったことです。11件のうち7件は、名前が .jpeg なのに中身が PNG でした。そして設定が読めたのは、まさにその7件です。「JPEG だから大丈夫」という判断が、名前を見ただけでは成り立ちません。
もうひとつはどこを見て判定されているのかです。服装を3段に変えて送っても、年齢を明記していれば着衣から裸まで全部通りました。見られていたのは露出の度合いではなく、人物が成人として描かれているかどうかでした。ライセンスの11項目で唯一残っている条項と、線の位置がそろっています。
読者に確かめてほしいこと
この記事の数字は、特定のサイトから取得した11件と、6つの経路で自分が出した6件についてのものです。別のサイト、別のソフト、別の版では結果が変わります。
ですから、手元の環境で1回だけ確かめてください。やることは、いま持っている画像を1枚、投稿サイトの投稿画面に置いてみるだけです。設定が読み取られたら入っています。読み取られなければ入っていません。それが分かれば、あとは出す前に処理するかどうかを決めるだけになります。
やることは1つに絞れます。外に出すファイルから、設定を落とす。出力の設定で書き込みそのものを止めれば、それ以降は気にしなくてよくなります。すでに作ってしまったものは、変換するか落とすツールを通してから、もう一度確かめる。
設定を触らずに済ませたい場合や、そもそも手元にファイルを置きたくない場合は、ブラウザで完結するサービスを使うという選び方もあります。
出典
ライセンスと規約
- CreativeML Open RAIL-M(Stable Diffusion 1.5 のライセンス。第6条・Attachment A・2022年8月22日付)— huggingface.co
- Stable Diffusion v1-5 Model Card(学習解像度・誤用の例)— huggingface.co
- Stability AI Acceptable Use Policy — stability.ai
- Venice Privacy Policy(Prompts and Outputs / Model Providers)— venice.ai
- Venice Terms of Service — venice.ai
- getimg.ai Use Restrictions — getimg.ai
実測に使ったもの
- Civitai(配信されている画像の取得元。モデルの配布元でもある)— civitai.com
- Venice AI(露出の度合いを3段に分けて送った先。画像モデル38本)— venice.ai
- getimg.ai API リファレンス(数値で指定できる項目の一覧)— v1.docs.getimg.ai
数字の出どころ
「11件のうち7件」「26項目」は、当編集部が配信されている画像ファイルを実際に取得し、画像として開いたときに付いてくる文字の領域を数えたものです。他人のアカウントに立ち入って取得したものではありません。本文には、読み取れた項目の名前だけを載せ、他人が書いた文章そのものは1文字も載せていません。
「通った」の判定は、同一の人物の指定のまま服装を段階的に変えて送り、返ってきた画像をすべて開いて確かめたものです。合計24枚を見ています。記事に載せた画像のうち、乳首が写るものには当編集部で修正を入れています。規約と料金は変更されることがあります。この記事の内容は2026年9月3日に確認したものです。