画像生成の方法やコツ

LoRAの作り方!PixAIとCivitaiで自分のキャラを学習させる手順【2026年版】

※ 一部の記事にPRを含みます。
※ 記事内の情報は2026年9月時点のものです。

LoRAの作り方の記事のアイキャッチ。複数の学習用画像が1つのモデルファイルにまとまる様子を図にしたもの

同じキャラクターを何枚も出したいのに、プロンプトをどれだけ足しても顔が毎回変わる。その問題を根本から解決するのが LoRA です。覚えさせたい絵を十数枚用意して学習させると、以後は短い呪文ひとつで同じ絵柄・同じキャラが出るようになります。

この記事では、実際に15枚の画像でLoRAを1本学習させて、そのまま出せるところまでの手順を並べます。枚数・設定の数値・かかった費用と時間は、公式ページの記載か、当編集部が実際に回して計測したものだけを載せています。

作れる場所は大きく3つあります。ブラウザで完結する PixAI、同じくブラウザで動いて外部から呼び出すこともできる Civitai、そして自分のパソコンで動かすローカル環境です。結論から言うと、はじめの1本はブラウザ側で作るほうが確実です。理由は本文で数字を出して説明します。

料金と仕様は2026年9月時点の公開情報です。取れなかった項目は推測で埋めず、そのまま「未取得」と書いています。

PixAI 公式サイト

当サイトの特徴

生成AIに詳しくない初心者でも理解しやすいように、図解を用いた丁寧な解説を徹底!
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【生成AIの専門チームが監修】実証実験を用いた信頼性の高い情報を発信

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※最終データ更新:2026年9月
※上記画像はCanva AIAnime Geniusで制作

Contents
  1. LoRAを当てると、絵はどこまで変わるのか
  2. そもそもLoRAを作る必要があるのか
  3. LoRAを作れる場所は3つある
  4. キャラ・画風・ポーズ・衣装で、集めるものが変わる
  5. 手順1|学習させる画像を集める
  6. 手順2|トリガー語とキャプションを決める
  7. 手順3|学習の設定を決める
  8. 手順4|学習を回す
  9. 手順5|できたLoRAを試す
  10. うまく覚えないときに見直すところ
  11. 2本目からは、作り直しの費用が変わる
  12. 作ったLoRAを公開する前に見るところ
  13. よくある質問
  14. まとめ
  15. 出典

LoRAを当てると、絵はどこまで変わるのか

同じプロンプトと同じシードで、LoRAなし、強さ0.5、強さ1.0の3枚を並べた比較画像。右にいくほど発色と描き込みが強くなる
プロンプトもシードも同じ。変えたのはLoRAの強さだけ当編集部が Civitai の生成APIで作成(2026年9月2日)

手順に入る前に、そもそもLoRAが何をするものなのかを見てもらいます。上の3枚はプロンプトも乱数の種も1文字も変えていません。変えたのは、当てたLoRAの強さだけです。

左が当てていない状態。真ん中が強さ0.5。右が強さ1.0です。同じ言葉から出発しているのに、光の入り方も、肌の質感も、背景の情報量も別物になっています。

LoRAは「言葉で言いにくいもの」を担当する

プロンプトで書けるのは、名前の付いているものだけです。髪の色、服の種類、場所。ここまでは言葉になります。言葉にならないのが、絵柄そのものです。線の太さ、影の落とし方、目のハイライトの入れ方。これらは「かっこいい感じで」としか書けません。

LoRAは、その言葉にならない部分を画像から直接覚えます。だから、覚えさせた絵を十数枚見せるだけで、次からは同じ調子で描いてくれるようになります。

強さは0から2くらいまで動かせる

当てる強さは数値で指定します。0が当てていない状態で、1.0が標準です。0.6から1.0のあいだが実用の範囲で、それより上げると絵柄は強く出ますが、プロンプトで書いた内容が押しのけられていきます。

上の3枚でも、右にいくほど「夜の街」という指定が背景ではなく光の演出として強く出ています。強さは効き目の調整ではなく、主導権をどちらに渡すかの調整だと考えると迷いません。

強さを決めるときの目安

  • 0.3から0.5は、絵柄をうっすら寄せたいとき。元のモデルの絵が残る
  • 0.6から0.8は、キャラクターLoRAの標準。顔は固定されるが構図は自由
  • 0.9から1.0は、画風LoRAの標準。作り手が意図した見た目に一番近い
  • 1.1以上は、色が濃くなりすぎたり手が崩れたりしやすい。最後に試す

LoRAを足しても、生成の値段は変わらない

これは実際に測って確かめました。上の3枚を出す前に、Civitai の生成APIで見積もりだけを取っています。LoRAなし・0.5・1.0のどれも11 Buzz で、1も変わりませんでした。

条件 見積もり
LoRA なし 11 Buzz
LoRA 強さ0.5 11 Buzz ±0
LoRA 強さ1.0 11 Buzz ±0

つまり、LoRAを当てること自体には追加の料金がかかりません。費用がかかるのは作るときだけです。一度作ってしまえば、使うたびに上乗せされることはない。ここが分かっていると、後の判断が楽になります。

そもそもLoRAを作る必要があるのか

同じキャラを出す3つの方法プロンプトを固定準備 0分費用 0円再現度 低い顔が毎回ぶれる数枚だけならこれで足りる画像を参照させる準備 1枚費用 生成のたび再現度 中くらい毎回ひと手間かかる十数枚まではこれが早いLoRAを作る準備 素材15枚と数十分費用 作るときだけ再現度 高い以後は呪文ひとつ何十枚も出すならこれ
出す枚数が増えるほど、LoRAの準備コストが割に合ってくる各サービスの公開情報をもとに作成(2026年9月2日 確認)
同じキャラを出す3つの方法プロンプトを固定準備0分・費用0円・再現度は低い数枚だけならこれで足りる画像を参照させる1枚あればよい・毎回ひと手間十数枚まではこれが早いLoRAを作る素材15枚と数十分・以後は呪文ひとつ何十枚も出すならこれ
出す枚数が増えるほど、LoRAの準備コストが割に合ってくる各サービスの公開情報をもとに作成(2026年9月2日 確認)

効き目を見たところで、一度だけ立ち止まってください。同じキャラを出したいだけなら、LoRAを作らずに済む場合があります。ここを飛ばすと、15枚集めて数十分待った末に「これプロンプトで足りたな」となります。

方法は3つあって、分かれ目は「何枚出すか」

いちばん軽いのは、プロンプトを固定して使い回すやり方です。髪の色、髪型、目の色、服を毎回同じ語で書く。準備は要りませんが、顔が毎回ぶれます。同じ人物には見えるけれど、同じ人物ではない、という状態になる。

次が、参照用の画像を1枚渡すやり方です。PixAIには会員向けにチャットで指示するだけで衣装やポーズを変えられる機能があり、公式は次のように説明しています。

Describe the change and we'll do it — change outfit, adjust poses, or even create comics with plain natural language.

変えたいところを言葉で伝えるだけでよい。衣装の変更、ポーズの調整、さらには漫画を作ることまで、普通の言葉でできる。

PixAI 公式サイト Membership Features — pixai.art

1枚から使えるのが強みですが、出すたびに参照画像を用意して指示を書く手間がかかります。10枚20枚と増えると、この手間が効いてきます。

分かれ目はだいたい20枚あたり

LoRAは準備が重い代わりに、以後の手間がほぼ0になります。素材15枚を集めて、学習に数十分。そこを越えれば、あとは呪文ひとつで何枚でも同じ絵が出ます。

どの方法を選ぶかの目安

  • 数枚だけ出したい……プロンプトの固定で足りる。作る必要はない
  • 十数枚まで……参照画像を使うほうが早い。準備の時間を取り返せない
  • 何十枚も出す、連載や動画にする……LoRAを作る。ここで逆転する
  • 絵柄そのものを揃えたい……枚数に関係なくLoRA。プロンプトでは書けない

最後の項目が、実はいちばん大きい理由です。キャラの再現だけならほかの手もありますが、線の質や影の付け方といった絵柄は言葉になりません。ここを揃えたいなら、枚数が少なくてもLoRAを作る価値があります。

LoRAを作れる場所は3つある

LoRAを作れる3つの場所はじめの1本向きPixAIブラウザだけで完結月額に無料枠が3〜10本アニメ系のベースが豊富15〜30分で終わる数を回すならCivitaiブラウザとAPIの両方1本400 Buzz から設定を細かく指定できるそのまま公開できる機材があるならローカル環境回した回数の料金は0円NVIDIAのGPUとCUDAが要る必要な性能の明記は無い素材が外に出ない
はじめの1本はPixAI、数を回すならCivitai、機材があるならローカル各社の公開情報をもとに作成(2026年9月2日 確認)
LoRAを作れる3つの場所はじめの1本向きPixAIブラウザだけ・月3〜10本が無料枠15〜30分で終わる数を回すならCivitai1本400 Buzz から・APIで呼べる設定を細かく指定できる機材があるならローカル環境回した回数の料金は0円NVIDIAのGPUとCUDAが要る
はじめの1本はPixAI、数を回すならCivitai、機材があるならローカル各社の公開情報をもとに作成(2026年9月2日 確認)

作る場所によって、必要なものも、かかるお金も、覚えることの量も変わります。まずここを決めてしまうと、あとの手順が1本道になります。

項目 PixAI Civitai ローカル環境
必要なもの ブラウザと会員登録 ブラウザと会員登録 NVIDIAのGPU・CUDA・環境構築
1本あたりの費用 月額に含まれる(月3〜10本) 400 Buzz から 電気代のみ
かかる時間 SDXL系で15〜30分、DiT系で約70分 未取得(設定と混み具合で変わる) 機材しだい
推奨枚数 キャラは15〜30枚 明記なし 明記なし
設定の細かさ 既定のままで完了する 学習率・次元・最適化まで指定できる すべて自分で決める
素材の扱い サービスに上げる 上げるときに1枚ずつ審査が入る 外に出ない

はじめの1本にPixAIを勧める理由

PixAI の料金ページ。STARTER が年払いで月1,120円・LoRA学習が月3本無料、PLUS が月3,220円・月5本、PREMIUM が月5,600円・月10本
PixAI の会員プラン。3つのプランすべてに学習の無料枠が付く出典:PixAI 公式サイト(2026年9月2日 取得)

理由は費用の出方です。PixAIは会員プランに学習の無料枠が最初から含まれています。1本ごとの支払いではないので、失敗しても損が出ません。はじめの1本は必ず失敗するので、この差は大きい。

プラン 月払い 年払い(月あたり) 学習の無料枠 同時に当てられる数 月間クレジット
STARTER 1,680円 1,120円 月3本 5本 30万
PLUS 5,000円 3,220円 月5本 10本 100万
PREMIUM 8,400円 5,600円 月10本 15本 200万

プランは目的で選ばないと損をする

ここで一度、公式が出していない数字を出します。年払いの月額を、学習の無料枠の本数で割ったものです。「LoRA 1本あたり、いくら払っていることになるか」が見えます。

プラン LoRA 1本あたり クレジット10万あたり 読み方
STARTER 373円 373円 学習だけなら一番安い
PLUS 644円 322円 学習で見ると一番割高
PREMIUM 560円 280円 生成量で見ると一番安い

上のプランほど得になる、という並びになっていません。クレジットの単価は上にいくほど下がるのに、LoRA 1本あたりの単価はPLUSでいったん跳ね上がります。学習の本数だけを目当てにPLUSへ上げると、かえって高くつく。

判断は単純です。学習が目的ならSTARTER、生成の量が目的ならPREMIUM。PLUSを選ぶ理由は、同時に当てるLoRAが6本以上必要なときだけです。

Civitaiは費用の下限が決まっている

Civitaiは1本ごとの支払いです。公式ドキュメントに計算式がそのまま書かれています。

price = steps × costPerStep + epochs × 10 / costPerStep = 0.20 (sdxl and sd1) / floor: never less than 80% of the default-configuration price

価格は「歩数×1歩あたりの単価+保存数×10」。1歩あたりは0.20。既定の構成の80%を下回ることはない。

Civitai 開発者ドキュメント SDXL & SD1 LoRA training — Cost — developer.civitai.com

既定は2000歩・保存10回で、2000×0.20+10×10=500 Buzz。下限はその80%なので400 Buzzです。

歩数を減らしても、ある地点から先は安くならない

  • 式に当てはめると、400 Buzz になるのは1500歩のとき(1500×0.20+100=400)
  • 1500歩より減らしても、下限の400 Buzz より安くはならない
  • つまり1500歩が、同じ値段で最も長く回せる設定になる
  • 実際に1200歩と1500歩で見積もりを取ったところ、どちらも400 Buzz だった(当編集部で実測)

この記事で回した学習も1500歩にしています。1000歩に切り詰めても値段は1 Buzz も変わらないので、切り詰める意味がありません。公式は下限があることは書いていますが、その下限にちょうど乗る歩数までは書いていない。ここは計算して出しました。

ローカル環境は「必要な性能」が公表されていない

自分のパソコンで回す方法もあります。よく使われるのは kohya-ss の sd-scripts で、公式の説明にはこう書かれています。

Note: Please make sure that NVIDIA driver and CUDA toolkit are installed in advance.

NVIDIAのドライバとCUDA toolkit を先に入れておくこと。

kohya-ss/sd-scripts README — github.com

注意したいのは、ここから先です。公式のREADMEには、必要なVRAMの量が書かれていません。「8GBあれば動く」といった数字はよく見かけますが、その出どころは公式ではない。手元の機材で足りるかどうかは、実際に回してみるまで確定しません。

だから、はじめの1本をローカルで始めるのは勧めません。環境構築で半日使って、回してみたらメモリが足りずに落ちる、という止まり方をします。ブラウザ側で1本作って「どういう素材だとどうなるか」を先に掴んでから移るほうが早い。

PixAI 公式サイト

キャラ・画風・ポーズ・衣装で、集めるものが変わる

SeaArt の日本語ドキュメントのLoRAトレーニングのページ。推奨される画像数や画像サイズ、タグ付けの設定が書かれている画面
SeaArt は日本語のドキュメントで枚数と設定を公開している出典:SeaArt Guide(2026年9月2日 取得)

LoRAは「キャラを覚えさせるもの」と思われがちですが、覚えさせられるものは4種類あります。そして種類ごとに、集める素材の性質が正反対になります。ここを取り違えると、枚数を増やしても良くなりません。

キャラLoRAは「人物を揃えて、それ以外を散らす」

いちばん多い用途です。同じ人物が写っていることだけが共通で、他はすべて違うのが理想です。角度、表情、場所、光、寄りと引き。この記事で作ったのもこれにあたります。

失敗の典型は、お気に入りの1枚を少しずつ加工して枚数を稼ぐことです。それは15枚ではなく1枚です。同じ情報を15回見せているだけなので、構図の指定が効かないLoRAになります。

画風LoRAは「絵柄を揃えて、題材を散らす」

キャラLoRAと正反対です。人物、風景、小物、何が描かれていてもよく、絵柄だけが同じであればいい。むしろ題材が偏っていると、その題材まで一緒に覚えます。

推奨枚数もキャラより多く、PixAIは20枚から40枚としています。絵柄という抽象的なものを掴ませるには、より多くの例が要るためです。

ポーズLoRAは枚数が最も少なくて済む

特定の構えや動きを覚えさせるものです。PixAIの推奨は10枚から20枚で、4種類のなかで最も少ない。覚えさせる内容が単純だからです。

集めるときのコツは、そのポーズがはっきり分かる絵だけを選ぶことです。中途半端な角度で分かりにくい絵を混ぜると、覚えがぼやけます。キャラLoRAでは「散らす」ことが正解でしたが、ここでは逆に絞ります。

衣装LoRAは光の当たり方を散らす

特定の服を覚えさせるものです。推奨は15枚から25枚で、公式は「角度と光の当たり方」を散らすようにと書いています。

服は形が複雑なので、正面からの絵ばかりだと背面や側面が破綻します。着ている人物のほうは、むしろ変えたほうがいい。同じ人が着ている絵ばかりだと、服と一緒にその人物まで覚えます。

種類 推奨枚数 揃えるもの 散らすもの
キャラ 15〜30枚 人物の特徴 角度・表情・場所・衣装
画風 20〜40枚 絵柄・線・塗り 題材・人物・構図
ポーズ 10〜20枚 ポーズ・角度の分かりやすさ 人物・服・背景
衣装 15〜25枚 服の形と柄 着ている人物・角度・光

混ぜて使うことも前提になっている

4種類に分けるのは、あとから組み合わせるためです。キャラLoRAに衣装LoRAを重ねる、という使い方ができます。1本にすべてを詰め込むより、分けて作ったほうが融通が利く。

同時に何本まで重ねられるかは、サービスの契約で決まります。PixAIは1回の生成につきSTARTERで5本、PLUSで10本、PREMIUMで15本までです。

5本あれば、キャラ・衣装・ポーズ・画風・仕上げの調整で足ります。この数を目当てに上位プランへ上げる必要は、ふつうはありません。

手順1|学習させる画像を集める

LoRAの学習に使った15枚の画像を並べた一覧。同じ銀髪の制服の少女を、教室・廊下・屋上・図書室などで、正面・横顔・後ろ姿・上半身・全身と変えて撮ったもの
今回の学習に使った15枚。同じ人物を、角度・表情・場所だけ変えて集めた当編集部が Civitai の生成APIで作成(2026年9月2日)

ここからが本番です。LoRAの出来は、素材の集め方でほぼ決まります。設定をいじって直せる部分は驚くほど小さい。

枚数は公式が出している数字に合わせる

枚数については、PixAIが用途ごとに公式で示しています。

作りたいもの 枚数 集め方の要点
キャラクター 15〜30枚 同じ人物を、角度と表情を変えて
画風 20〜40枚 題材はバラバラでよい。絵柄だけを揃える
ポーズ 10〜20枚 そのポーズがはっきり分かるものだけ
衣装 15〜25枚 角度と光の当たり方を散らす

SeaArtの日本語ドキュメントは「推奨される画像数は約30枚です」と書いています。数字の出どころは違いますが、キャラクターなら15枚から30枚という範囲で一致しています。今回は下限に近い15枚で試しました。

枚数より、散らばりのほうが効く

同じ構図の絵を30枚集めるより、違う構図の絵を15枚集めるほうが良いLoRAになります。覚えてほしいのは「その人物」であって「その構図」ではないからです。

上の15枚は、そこを意識して振り分けました。上半身が6枚、顔の寄りが3枚、全身が2枚、腰から上のやや引きが4枚。場所は教室・廊下・屋上・図書室・街・校門と散らしています。表情も笑顔・無表情・驚き・怒り・照れを混ぜました。

散らすべきものと、揃えるべきもの

  • 散らすもの……角度、表情、背景、光の向き、寄りと引き
  • 揃えるもの……髪型、髪の色、目の色、服の基本形、絵柄
  • 迷ったら「この要素を毎回出したいか」で判断する。毎回出したいものだけ揃える
  • 背景が全部同じだと、背景まで一緒に覚えてしまう。ここが一番よくある失敗

解像度は512×512から。それ以下は使わない

PixAIの公式は最低512×512、SDXL系なら768から1024の正方形あたりが最適としています。SeaArtは512×512、512×768、768×512の3つを挙げています。

小さい画像を引き伸ばして使うのはやめたほうがいい。引き伸ばしたときのぼやけまで「そういう絵柄」として覚えます。足りないなら、枚数を減らして質を保つほうが結果は良くなります。

素材にしてよいものかを先に確かめる

ここは手順の話ではありませんが、集め始める前に一度だけ確認してください。他人が描いた絵を無断で集めて学習させることは、権利の問題を生みます。とくに、実在の人物の写真と、特定の作家の絵柄は扱いが重い。

Civitaiは素材を上げる時点でこれを機械側で見ています。公式ドキュメントにこう書かれています。

Every image goes through per-asset moderation on upload — which is why the blob endpoint accepts images but not zips.

1枚ごとに、アップロード時に審査が入る。だからこの口はzipではなく画像だけを受け付ける。

Civitai 開発者ドキュメント Training data as blobs — developer.civitai.com

zipでまとめて上げる口もありますが、そちらは1枚ずつの審査を通りません。審査があること自体が、素材の中身が見られているという意味です。

手順2|トリガー語とキャプションを決める

トリガー語とキャプションの役割分担トリガー語に吸わせる(書かない)髪の色・髪型目の色傷あと・ほくろ・タトゥーいつも身に付けている小物= 毎回そのまま出したいものキャプションに書く構図(上半身・全身・寄り)表情・ポーズ背景・時間帯その日だけの衣装= あとで指定して変えたいもの
毎回出したいものは書かない。変えたいものだけ書くPixAI 公式の学習ドキュメントをもとに作成(2026年9月2日 確認)
トリガー語とキャプションの分担トリガー語に吸わせる髪の色・髪型・目の色傷あと・ほくろ・タトゥーいつも身に付けている小物= 毎回そのまま出したいものキャプションに書く構図・表情・ポーズ背景・時間帯その日だけの衣装= あとで指定して変えたいもの
毎回出したいものは書かない。変えたいものだけ書くPixAI 公式の学習ドキュメントをもとに作成(2026年9月2日 確認)

トリガー語は、そのLoRAを呼び出すための合言葉です。プロンプトにこの語を入れたときだけ、覚えた内容が出てきます。

トリガー語は「使われていない文字列」にする

ここで girlanime のような普通の単語を選ぶと失敗します。元のモデルがすでにその語を別の意味で覚えているからです。合言葉として機能しません。

今回は aolgirl にしました。存在しない綴りなので、他の意味とぶつかりません。3文字以上の、辞書に無い綴りにするのが安全です。

キャプションには「変えたいもの」だけ書く

ここがLoRAで一番つまずくところです。PixAIの公式は、トリガー語に含めるものについてこう書いています。

AVOID outfit details, pose-specific elements, backgrounds, and anything temporary or variable — these kill flexibility.

衣装の細部、ポーズ固有の要素、背景、その他の一時的で変わりうるものは避けること。柔軟性を殺す。

PixAI 公式ブログ Train LoRA on PixAI — blog.pixai.art

裏を返すと、キャプションに書いた要素は、あとから指定して変えられるようになります。書かなかった要素は、トリガー語にくっついて、毎回そのまま出てきます。

今回つけたキャプションの形

  • 1枚目は「aolgirl, 1girl, solo, upper body, looking at viewer, smile, classroom, day」
  • 先頭は必ずトリガー語。ここは15枚すべて共通にする
  • 髪の色・目の色・制服は1文字も書いていない。トリガー語に吸わせるため
  • 構図・表情・場所・時間帯だけを書く。ここが可変の要素になる

「銀髪」と書かなかったから銀髪が出なくなる、のではありません。逆です。書かなかったからこそ、トリガー語そのものに銀髪が結びつきます。書いてしまうと「銀髪と書いたときだけ銀髪になる」LoRAになる。

タグ付けを自動でやるときのしきい値

枚数が多いと手で書くのは現実的ではありません。自動でタグを振る機能がどのサービスにもあります。SeaArtの日本語ドキュメントはタグ付けアルゴリズムに Deepbooru、しきい値は0.6を推奨としています。

しきい値は「どのくらい自信のあるタグまで採用するか」の設定です。下げるとタグが増えて細かくなり、上げると確実なものだけが残ります。0.6は、拾いすぎと取りこぼしの中間にあたる値です。

手順3|学習の設定を決める

ブラウザで作る場合、設定は既定のままで完了します。ここを読まなくてもLoRAは作れます。ただし、思ったように覚えなかったときに触る場所は、この節にあるものだけです。

触るのは4つだけでよい

設定 既定値 何を決めるか 動かす向き
歩数(steps) 2000 何回くり返して覚えるか 覚えが浅いなら増やす
学習率(lr) 0.0001 1回でどれだけ寄せるか キャラや画風は0.0005が目安
次元(networkDim) 32 覚えられる量とファイルの大きさ 複雑な絵柄なら上げる
保存回数(epochs) 10 途中経過を何本残すか 減らしても安くならない

Civitaiの公式ドキュメントは、学習率について「0.0005 is typical for character/style LoRAs on SDXL」と書いています。既定の0.0001は控えめな値です。キャラクターや画風を覚えさせるなら、5倍にしたほうが素直に寄ります。

保存回数は「途中経過を何本もらうか」

保存回数は、完成品の数ではありません。学習の途中で何回スナップショットを取るか、です。10なら10本のファイルが手元に届きます。

なぜ途中経過が要るのかというと、学習は進みすぎることがあるからです。7本目がちょうどよくて、10本目は覚えすぎて融通が利かない、ということが普通に起きます。全部もらっておいて、あとから並べて選ぶ。

保存回数を減らしてはいけない理由

  • 1本あたり10 Buzz なので、10本で100 Buzz ぶんに見える
  • ところが全体には400 Buzz の下限があるので、減らしても総額は変わらない
  • 減らすと、選べる候補だけが減る。得は1 Buzz も無い
  • 迷ったら既定の10のまま。ここは触らないほうがよい設定
  • ただし指定した数だけ届くとは限らない。今回は10と指定して8本だった(当編集部で実測)

今回使った設定

実際に回した設定を全部出します。1500歩にしたのは、前の節で計算したとおり、400 Buzz で最も長く回せる値だからです。

項目 今回の値 選んだ理由
ベースモデル Illustrious系のチェックポイント アニメ絵の土台として広く使われている
歩数 1500 下限の400 Buzz にちょうど乗る
学習率 0.0005 公式がキャラ・画風の目安として挙げている
次元と係数 どちらも32 既定のまま。1人のキャラには十分
保存回数 10 減らしても安くならないため
トリガー語 aolgirl 辞書に無い綴りでぶつからない
素材 15枚 キャラの推奨範囲の下限

ベースモデルは、ふだん使っているものに合わせる

これは見落とされがちですが、効き方に直結します。LoRAは、学習した土台と同じ系統でしか正しく動きません。PixAIの公式も、ふだん Haruka V2 で生成しているなら Haruka V2 で学習すべきだと書いています。

SD1.5で学習したLoRAは、SDXL系のモデルには当たりません。これは「効きが悪い」ではなく「使えない」です。系統が違うと、そもそも読み込めない。

いま何が使われているかは、実際に数えて確かめられます。Civitaiで人気の高いLoRA 600本のベースモデルを集計したところ、次のようになりました。

ベースモデル 本数 割合
SD 1.5 223本 37.2%
Illustrious 76本 12.7%
Pony 72本 12.0%
SDXL 1.0 57本 9.5%
その他 172本 28.6%

SD1.5が最多なのは、古くからあって蓄積が多いためです。これから新しく作るなら、アニメ絵はIllustrious系、実写寄りはSDXL系というのが実情に合います。ダウンロード数の多い順に並べると古いものが上に来るので、この数字をそのまま「いま人気」と読まないでください。

手順4|学習を回す

設定が決まったら、あとは投げて待つだけです。ここからは、実際に1本回したときの記録をそのまま出します。

投げてから終わるまで68分34秒

項目 実測値 補足
素材の枚数 15枚 キャラの推奨範囲の下限
素材のアップロード 合計31.5秒 1枚あたり0.79〜3.95秒
素材の審査 通過 15枚とも問題なしと返ってきた
受け付けの応答 0.9秒 投げた時点では何も終わっていない
実際にかかった費用 400 Buzz 見積もりと1 Buzz も違わなかった
学習にかかった時間 68分34秒 1500歩・素材15枚のとき
届いたファイル 8本 保存回数は10で指定していた

時間はPixAIの目安より長くかかりました。PixAIの公式はSDXL系で15分から30分としています。混み具合で変わるので、ここは1回の実測として読んでください。ただ、「数分で終わる」ではないことは確かです。投げたら別のことをするつもりで待ってください。

枚数から、繰り返しの回数が自動で決まる

返ってきた記録を見ると、こちらが指定していない項目が2つ埋まっていました。繰り返しが14回、まとめて処理する枚数が4枚。どちらも素材の枚数から自動で決められています。

15枚を14回くり返すので、1周で210枚ぶん。枚数が少ないほど、1枚を何度も見せる形になります。だから「15枚しかないから足りない」ということにはなりません。少ない枚数でも学習は成立します。

枚数が少ないときに起きること

  • 1枚あたりの繰り返し回数が増える。学習が成立しないわけではない
  • そのぶん、素材1枚のクセがそのまま強く出る
  • だから枚数より、1枚ずつの質と散らばりのほうが効いてくる
  • 「とりあえず枚数を稼ぐ」のがいちばん効かない

保存回数は、指定した数だけ届くとは限らない

ここは実際に回すまで分かりませんでした。保存回数に10を指定したのに、届いたファイルは8本でした。

歩数を1500と控えめにしたため、10回ぶんの区切りが取れなかったとみられます。減らして損をしたわけではありませんが、「10と書けば必ず10本」ではないことは覚えておいてください。費用は下限の400 Buzz のままです。

手順5|できたLoRAを試す

学習の途中で保存された8本のLoRAを、同じプロンプトで並べた比較画像。2本目は1人と指定したのに2人写り、3本目は手が顔にかかって崩れ、4本目以降は安定している
同じプロンプトで、1本目から8本目までを並べたもの当編集部が Civitai の学習APIで作成(2026年9月2日)

できあがったら、まず途中経過を全部並べます。1枚だけ見て判断しないでください。上の8枚は、同じプロンプトで1本目から8本目までを出したものです。

並べると、途中の不安定さが見える

順に見ていくと、はっきり差があります。

何本目 見えたこと 使えるか
1本目 もう特徴は出ている。髪も目も服も合っている 使える
2本目 「1人」と指定したのに2人写った 不安定
3本目 手が顔にかかって崩れた 不安定
4〜5本目 安定した。1人で、崩れも無い 使える
6〜8本目 上衣の色が変わり、そのまま固定された 使えるが寄っている

1本目からもう特徴は出ています。ここは意外に思われるかもしれませんが、LoRAは早い段階で「覚えるべきもの」を掴みます。そのあとの回数は、安定させるために使われている。

そして2本目と3本目で、いったん崩れています。この2本しか手元に無かったら「失敗した」と判断していたはずです。並べたから、単に途中経過だと分かる。

最後の1本が最良とは限らない

6本目から8本目は、上衣の色が変わってそのまま固定されました。素材の中の一部の傾向に寄っていった形です。崩れているわけではないので使えますが、4〜5本目のほうが素材全体に近い。

だから、届いた最後の1本をそのまま使う、という決め方をしないでください。保存回数を減らしても費用が変わらないのは、この選択肢を残すためだと考えると分かりやすい。

素材に無い場面を指定して確かめる

学習したLoRAの検証画像。LoRAなしでは茶髪の別人が出るが、5本目と8本目のLoRAを当てると銀髪に三つ編み、紫の目、セーラー服の同じ人物が、素材に無い桜の並木道で出ている
同じプロンプト・同じ種。左はLoRAなし、中と右は学習したLoRAを当てたもの当編集部が Civitai の生成APIで作成(2026年9月2日)

仕上げの確認です。素材に1枚も入れていない場面を指定して、それでも同じ人物が出るかを見ます。上の3枚は「桜の並木道・屋外・春」で出したもので、素材15枚にこの場面はありません。

プロンプトに書いたのは aolgirl というトリガー語と、構図と場所だけです。髪の色も、目の色も、服も、1文字も書いていません。

それでも中と右には、銀髪に三つ編み、紫の目、セーラー服の同じ人物が出ています。左のLoRAなしは、同じプロンプト・同じ種なのに茶髪の別人です。手順2で「不変の特徴はトリガー語に吸わせる」と書いたのは、この状態を作るためでした。

この4つが確認できたら完成

  • トリガー語だけで、覚えてほしかった特徴が出る
  • 素材に無い場面を指定しても、同じ人物のまま出る
  • 構図や表情の指定が、ちゃんと効く
  • 強さを0.5から1.0まで動かして、どこかに使える範囲がある

2つ目が通れば、そのLoRAは実用になります。ここが通らない場合は、素材の背景や構図が偏っています。設定では直らないので、集め直しになります。

うまく覚えないときに見直すところ

1本目でうまくいくことはまずありません。ここでは症状ごとに、どこを直すかを並べます。設定より先に素材を疑うのが原則です。

症状 よくある原因 直す場所
顔が毎回変わる 枚数が足りない、または顔の寄りが少ない 顔の寄りを3枚以上入れる
背景が毎回同じになる 素材の背景が偏っている 場所を散らして集め直す
同じ服しか出ない キャプションに衣装を書いていない 衣装をキャプションに書き足す
構図の指定が効かない 覚えすぎている 強さを下げる。前の保存分を使う
色が濃すぎる・手が崩れる 強さが高すぎる 0.6〜0.8に下げる
そもそも何も変わらない ベースモデルの系統が違う 学習に使った系統に合わせる
トリガー語が効かない 普通の単語を使っている 辞書に無い綴りで作り直す

「何も変わらない」はほぼ系統違い

当てているのに絵が1ミリも変わらないときは、強さの問題ではありません。ほぼ確実に、土台のモデルと系統が合っていません。

SD1.5で学習したLoRAをSDXL系に当てても、無視されるだけです。エラーが出ないことが多いので気づきにくい。まず、当てているモデルの系統を確認してください。

「覚えすぎ」は捨てなくてよい

覚えすぎたLoRAは失敗作ではありません。強さを下げれば使えます。1.0で崩れるなら0.5で、それでも強いなら0.3で試す。

逆に、覚えが浅いLoRAは強さを上げても増えません。持っていない情報は出てこないからです。こちらは作り直しになります。迷ったら、やや強めに回して後から下げるほうが取り返しがつきます。

2本目からは、作り直しの費用が変わる

1本目は必ず「もう少し」の出来になります。ここで最初からやり直すか、続きから足すかで、費用も時間もまるで違います。2本目に入る前に、この節を読んでおくと無駄が減ります。

素材を使い回すと半額になる

PixAIは、同じ素材で新しいバージョンを作るときの割引を公式に出しています。データセットを再利用した場合は50%引き。設定だけ変えて回し直すときに効きます。

この割引があるということは、作り手は何度も回し直すものだと運営側も想定しているという意味です。1回で決めようとしなくていい。

できたLoRAから続きを学習させられる

Civitaiには、完成したLoRAを指定してそこから学習を継ぎ足す仕組みがあります。公式ドキュメントでは continueFrom という項目で、こう説明されています。

A previously-trained LoRA AIR to resume from. Must be a LoRA of the same ecosystem.

以前に学習したLoRAを指定して、そこから再開できる。同じ系統のLoRAでなければならない。

Civitai 開発者ドキュメント Common parameters — developer.civitai.com

覚えが浅かっただけなら、これで足せます。ただし系統が違うと使えません。SD1.5で作ったものにSDXL系の続きを足す、ということはできない。

やり直しになるのはどんなときか

状況 どうするか かかるもの
覚えが浅い。特徴が出きらない 続きから学習を足す 追加の学習1回ぶん
覚えすぎて構図が効かない 前の保存分に戻す 0。もう手元にある
設定を変えて試したい 同じ素材で回し直す PixAIなら半額
背景や服まで覚えている 素材を集め直す 最初から。ここは近道が無い
キャプションの付け方を間違えた キャプションだけ直して回し直す PixAIなら半額

最後から2番目だけが、本当のやり直しです。素材の偏りは、設定でも追加学習でも直りません。逆に言えば、それ以外は手元にあるもので何とかなります。

2本目に入る前に控えておくこと

  • 使った素材のフォルダをそのまま残す。あとで半額の対象になる
  • トリガー語を控える。忘れると呼び出せなくなる
  • 歩数・学習率・次元の3つを控える。次に変える基準になる
  • 途中経過のファイルを捨てない。何本目が良かったかを記録しておく

とくにトリガー語は忘れます。辞書に無い綴りにするので、記憶に残りにくい。LoRAのファイル名にそのまま入れておくのが確実です。

作ったLoRAを公開する前に見るところ

Civitai のLoRAモデルのページ。ダウンロード数や利用条件が並んでいる画面
Civitai のLoRAのページ。使ってよい範囲はモデルごとに設定されている出典:Civitai(2026年9月2日 取得)

作ったLoRAを配ったり、そのLoRAで出した絵を売ったりするなら、ここは飛ばせません。ここは他人のLoRAを使うときにも同じように効きます。

人気のLoRAの3割は、生成した絵の商用利用が書かれていない

ここは実際に数えました。Civitaiでダウンロード数の多いLoRA 600本の許可欄を集計したものです。

人気LoRA 600本の「商用利用」の欄生成した絵まで可280本 46.7%モデルの販売まで可135本 22.5%サイト内利用のみ112本 18.7%記載なし(空欄)73本 12.2%下の2つを足すと185本・30.9%。絵を売ってよいとは書かれていない
3割は、生成した絵の商用利用が明示されていないCivitai の公開APIで600本を取得して当編集部が集計(2026年9月2日)
人気LoRA 600本の「商用利用」生成した絵まで可46.7%モデルの販売まで可22.5%サイト内利用のみ18.7%記載なし(空欄)12.2%下2つで30.9%。絵を売ってよいとは書かれていない
3割は、生成した絵の商用利用が明示されていないCivitai の公開APIで600本を取得して当編集部が集計(2026年9月2日)

生成した絵の商用利用が認められているのは、600本中413本で68.8%。残りの3割は、サイト内での利用に限られるか、そもそも欄が空です。

ここで大事なのは、空欄を「たぶん大丈夫」と読まないことです。空欄は許可でも禁止でもなく、作り手が答えていない状態です。ダウンロード数が多いLoRAでも12.2%が空欄でした。

自分のLoRAを公開するときは、この欄を必ず埋める

逆の立場になったときも同じです。欄を空のままにすると、使う側は判断できません。結果として使われにくくなります。

公開の前に決めておく4つ

  • 生成した絵を売ってよいか
  • LoRAそのものを再配布・販売してよいか
  • 他のLoRAと混ぜて別のものを作ってよいか(600本中72.7%が可としている)
  • 作者名の表示を求めるか

実在の人物と未成年の申告欄は、いま値が入っていない

Civitaiのモデルには、poi(実在の人物を題材にしている)、minor(未成年を意図している)、sfwOnly という3つの申告欄があります。名前のとおりなら、機械側で外せることになります。

ところが、実際に取ってみるとそうなりません。成人向けを含む100本を取って数えたところ、3つとも100本すべてが false でした。

申告欄 true false 読み方
poi(実在の人物) 0本 100本 値が付いていない
minor(未成年) 0本 100本 値が付いていない
sfwOnly 0本 100本 値が付いていない
nsfw(成人向け) 23本 77本 こちらは動いている

同じ100本のうち nsfw は23本が true を返しているので、申告の仕組み自体が止まっているわけではありません。止まっているのは新しい3つだけです。

読み違えると逆の結論になります。「実在の人物を題材にしたLoRAは0本」ではありません。そういうLoRAは、公開されている一覧そのものに載っていないとみられます。実際、poi で絞り込んでも、絞り込まないときと返ってくるモデルが1本も変わりませんでした。

実務としては、この3つを外し忘れ防止に使えないということです。false は「違う」ではなく「答えていない」。自分で素材を選ぶときの判断を、機械に任せられません。

よくある質問

LoRAの学習に画像は何枚必要ですか?

キャラクターなら15枚から30枚が目安です。PixAIの公式が用途ごとに数字を出していて、画風は20〜40枚、ポーズは10〜20枚、衣装は15〜25枚としています。SeaArtの日本語ドキュメントは約30枚を推奨。この記事では下限に近い15枚で試しました。枚数を増やすより、角度と表情を散らすほうが効きます。

スマホだけでLoRAを作れますか?

PixAIとCivitaiはどちらもブラウザで動くので、機材の面では作れます。ただし素材を15枚以上そろえてタグを付ける作業があるので、画面が広いほうが現実的に楽です。できあがったLoRAを使って生成するほうは、スマホのアプリからでも問題ありません。

LoRAを当てると生成の料金は上がりますか?

上がりません。実際に見積もりを取って確かめています。LoRAなし・強さ0.5・強さ1.0のどれも11 Buzz で、1も変わりませんでした。費用がかかるのは作るときだけです。

他人の絵を集めて学習させてもいいですか?

権利の問題が出ます。とくに実在の人物の写真と、特定の作家の絵柄は扱いが重い。Civitaiは素材を上げる時点で1枚ずつ審査を通す作りになっていて、公式ドキュメントにもそう書かれています。自分で描いたもの、自分で生成したもの、権利の所在がはっきりしているものから始めるのが安全です。

作ったLoRAで出した絵を売ってもいいですか?

自分で一から作ったLoRAなら、土台にしたモデルの条件に従います。他人のLoRAを使ったときは、そのLoRAの許可欄を必ず見てください。人気の600本を数えたところ、30.9%は生成した絵を売ってよいとは書かれていませんでした。空欄は「許可」ではありません。

学習が終わったのに絵が変わらないのはなぜですか?

ほぼ確実に、ベースモデルの系統が合っていません。SD1.5で学習したLoRAは、SDXL系のモデルには当たりません。エラーが出ずに無視されることが多いので気づきにくい。学習に使った系統と、いま生成に使っているモデルの系統をそろえてください。

歩数はどれくらいにすればいいですか?

Civitaiで作るなら1500歩が目安です。理由は費用です。料金は「歩数×0.20+保存回数×10」で、下限が400 Buzz。1500歩でちょうど400 Buzz に届くので、それより減らしても安くなりません。同じ値段で最も長く回せる設定になります。

途中で保存されたファイルは全部いりますか?

全部もらっておいてください。実際に並べたところ、2本目は「1人」と指定したのに2人写り、3本目は手が崩れ、4〜5本目で安定しました。最後の8本目は上衣の色が素材の一部に寄っていて、4〜5本目のほうが素材全体に近い出来でした。最後の1本が最良とは限りません。保存回数を減らしても総額は変わらないので、減らす理由がありません。

学習にはどれくらい時間がかかりますか?

PixAIの公式はSDXL系で15分から30分、DiT系で約70分としています。当編集部がCivitaiで素材15枚・1500歩で回したときは、68分34秒かかりました。混み具合で変わるので幅を見てください。いずれにせよ数分では終わりません。投げたら別のことをするつもりで待ってください。

失敗したときは最初からやり直しですか?

やり直さなくて済む場合があります。PixAIはデータセットを再利用して新しいバージョンを作るときに50%引きとしています。Civitaiにはできあがったモデルを指定して続きから学習する仕組みがあります。ただし、素材そのものが偏っていた場合は集め直しになります。設定では直りません。

キャラと画風を1本のLoRAにまとめてもいいですか?

分けたほうが融通が利きます。キャラLoRAと画風LoRAは、集める素材の性質が正反対だからです。キャラは人物を揃えて他を散らし、画風は絵柄を揃えて題材を散らす。1本にまとめると、どちらの条件も満たせません。分けて作って、生成のときに重ねるのが基本です。

LoRAは同時に何本まで使えますか?

サービスの契約で決まります。PixAIは1回の生成につきSTARTERで5本、PLUSで10本、PREMIUMで15本まで。キャラ・衣装・ポーズ・画風・仕上げで5本あれば足りるので、この数のために上位プランへ上げる必要はふつうありません。

トリガー語はどう決めればいいですか?

辞書に無い綴りにしてください。girlanime のような普通の単語だと、元のモデルがすでに別の意味で覚えているので合言葉として機能しません。3文字以上の、意味を持たない文字列が安全です。この記事では aolgirl を使いました。忘れやすいので、ファイル名にも入れておくことを勧めます。

タグ付けは手作業と自動のどちらがいいですか?

枚数が少ないなら手作業のほうが結果は良くなります。可変の要素だけを狙って書けるからです。30枚を超えたら自動で振って、明らかにおかしいものだけ直すのが現実的です。SeaArtの日本語ドキュメントは、タグ付けに Deepbooru、しきい値0.6を推奨としています。

Civitai の学習は1本いくらですか?

下限が400 Buzz です。料金は「歩数×0.20+保存回数×10」で計算され、既定の2000歩・保存10回なら500 Buzz。ただし既定の80%が下限として設定されているので、それ以下にはなりません。1500歩でちょうど400 Buzz に届きます。確かめのために画像を出す費用は別で、1枚あたり11 Buzz でした。

まとめ

LoRAの作り方を、素材の集め方から公開前の確認まで並べました。覚えることは多く見えますが、実際に判断が要るのは3つだけです。どこで作るか、何枚どう集めるか、キャプションに何を書くか。

はじめの1本は、費用の出方がゆるいPixAIで作るのが確実です。失敗しても月額の枠の中で収まります。数を回す段階になったらCivitai。設定を細かく指定できて、1本400 Buzz で回せます。この記事で実際に回した1本も、素材15枚・1500歩で400 Buzz、時間は68分34秒でした。

そして、公開する前にひとつだけ思い出してください。許可欄が空のLoRAは、人気があっても使う側が判断できません。自分が使う側になったときに困ったことは、作る側になったときに直せます。

PixAI 公式サイト

出典

参照した一次情報

当編集部が計測したもの

  • LoRAの強さを変えた3枚の比較(同じプロンプト・同じ乱数の種で生成)
  • LoRAを当てたときと当てないときの生成費用(見積もりを3通り取得)
  • 人気LoRA 600本の商用利用の許可欄とベースモデルの内訳
  • モデルの申告欄3つ(poi・minor・sfwOnly)の値(100本)
  • 学習1本の実測(素材15枚・1500歩・400 Buzz・68分34秒・届いたファイル8本)
  • 途中で保存された8本を同じプロンプトで並べた比較
  • 学習したLoRAを、素材に無い場面で試した検証
  • PixAIの各プランの1本あたり単価とクレジット単価(公表額から算出)

料金と機能は変更されることがあります。この記事の数字は2026年9月2日に確認したものです。実際に使う前に、公式ページで最新の内容をご確認ください。

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