AIツールの評判やレビュー

ElevenLabs(イレブンラボ)の使い方と料金|商用利用と規約を原文で確かめた

※ 一部の記事にPRを含みます。
※ 記事内の情報は2026年9月時点のものです。

ElevenLabsの記事のアイキャッチ。音声の波形と利用規約の書類を並べた図

ElevenLabs を調べると、声の自然さと料金の話ばかりが出てきます。ところが、実際に音声を公開する段になって最初に引っかかるのは、そこではありません。無料プランで作った音声は、商用に使えません。しかも公開するなら、タイトルに「elevenlabs.io」と入れる義務があります。

この記事では、利用規約と禁止用途ポリシーを原文で確認したうえで、料金表からは読み取れない単価の構造まで踏み込みます。声の質の感想ではなく、使ってよい範囲がどこで切れているかを先に置きます。

料金と機能は2026年9月時点の公開情報にもとづきます。数字はすべて公式ページの記載か、そこから当編集部が計算したものです。推測で補った箇所はありません。書かれていない項目は「記載なし」としてそのまま残しています。

ElevenLabs の公式サイト

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※最終データ更新:2026年9月
※上記画像はCanva AIAnime Geniusで制作

Contents
  1. 無料プランで作った音声は、そのままでは公開できない
  2. 有料プランで商用利用できる範囲と、その外側
  3. 声を複製する条件は、創作でも緩まない
  4. 声のクローンは2種類ある。手軽なほうと、本人確認が要るほう
  5. 生成した音声は誰のものか —— 他社の規約と並べる
  6. 学習に使わせない設定は、契約ではなく画面で切る
  7. 料金は分数ではなくクレジットで決まる
  8. モデルの選び方で、速さもクレジット消費も変わる
  9. 動画の吹き替えは、声の特徴を残したまま置き換える
  10. 会話AIエージェントは4つの部品でできている
  11. 日本語で使うときに引っかかりやすいところ
  12. 無料プランの正しい使い方
  13. 使いはじめの手順
  14. 向いている使い方と、向いていない使い方
  15. よくある質問
  16. まとめ
  17. 出典

無料プランで作った音声は、そのままでは公開できない

ElevenLabs の公式トップページ
ElevenLabs の公式トップ。無料でも音声は作れるが、公開の条件は別にある出典:ElevenLabs 公式サイト(2026年9月1日 取得)

ElevenLabs の無料プランは、機能を試す目的では十分に触れます。ただし、そこで生成した音声の扱いには、公式に2つの制限がかかっています。片方は商用利用の禁止、もう片方は表記の義務です。この2つは別々の文書に書かれているため、片方だけ読んで安心してしまう構造になっています。

商用利用は有料プランからしか認められていない

利用規約は、商用利用を有料契約者に限ると明示しています。無料で使っている間は非商用に限る、という書き方です。

if you access or use our Services through a paid subscription plan (such a user, a "Paid User"), you may use the Services for commercial purposes

有料のサブスクリプションプランを通じて本サービスを利用する場合(そうした利用者を「有料利用者」という)、本サービスを商用目的で利用できる。

ElevenLabs Terms of Service, Section 1(c) — elevenlabs.io/terms-of-use

裏を返せば、無料プランの利用者は非商用に限られます。ここでいう商用には、広告への使用も含まれます。自分のチャンネルに広告収益が乗っている場合、その線引きは各自で判断することになります。

公開するならタイトルに「elevenlabs.io」と入れる

もうひとつが表記の義務です。無料プラン、またはログインしない状態で生成した音声を公開する場合、ElevenLabs への帰属を示すよう求められています。本文のどこかではなく、タイトルに入れる指定です。

帰属表記として指定されている文字列

  • 通常の音声は、タイトルに elevenlabs.io または 11.ai を含める
  • Eleven Music で作った楽曲を配布する場合は、Eleven Music に言及する

動画のタイトルや配信の題名に、ツール名が混ざることになります。これは体裁の問題として無視できる大きさではありません。無料で試すのはよいとして、公開を前提にするなら最初から有料プランで組み立てたほうが、あとから作り直さずに済みます。

他社の無料枠と比べたときの位置づけ

音声合成サービスの無料枠には、大きく2つの型があります。生成量だけを絞る型と、生成物の使い道を絞る型です。ElevenLabs は後者に寄っています。10分ぶん試せるけれど、その10分は公開物には使いにくい、という設計です。

逆に言えば、有料プランに移った瞬間に制限が外れる構造でもあります。月6ドルで商用ライセンスが付くので、公開を前提にするなら、無料枠で悩む時間のほうがもったいないという結論になります。

有料プランで商用利用できる範囲と、その外側

有料プランに移ると商用ライセンスが付きます。ただし、そこにも例外が1つ書かれています。ベータ機能で作ったものは、この商用ライセンスの外にあります。

生成した音声の権利は利用者に残る

まず前提として、生成物の権利の所在は明記されています。ここは曖昧になっていません。

Except as expressly set forth herein, as between you and ElevenLabs, you retain all rights in and to your Output.

本規約に明示的に定める場合を除き、利用者と ElevenLabs の間においては、利用者が生成物に関するすべての権利を保持する。

ElevenLabs Terms of Service, Section 4(c)(ii) — elevenlabs.io/terms-of-use

生成AIの利用ポリシーでは、生成物の権利について何も書かれていないことのほうが多いのが実情です。この点をはっきり書いているのは、確認できる範囲では珍しい部類に入ります。

ベータ機能で作ったものは対象外になる

有料プランの商用ライセンスには、ベータ機能を使っていないことという条件が付いています。新機能をいち早く試したときに限って、商用利用の根拠が薄くなるという形です。

新しい機能ほど魅力的に見えるので、ここは実務上の落とし穴になります。仕事で使う音声を作るときは、その機能がベータ扱いかどうかを画面で確かめてから回したほうが安全です。

ここまでの整理

プランと生成物の扱いの関係を、図にすると次のようになります。

プラン別・生成物の扱い 無料プラン 有料プラン 商用利用 認められない 認められる 公開時の帰属表示 タイトルに必要 不要 生成物の権利 利用者に残る 利用者に残る 音声クローン 使えない Starter から順に解禁 学習利用の停止 設定から自分で切る 設定から自分で切る 出典: ElevenLabs 利用規約・ヘルプセンター(2026年9月時点)
無料と有料で変わるのは料金だけではないElevenLabs 利用規約およびヘルプセンターの記載をもとに作成
プラン別・生成物の扱い 商用利用 無料認められない 有料認められる 公開時の帰属表示 無料タイトルに必要 有料不要 生成物の権利 無料利用者に残る 有料利用者に残る 音声クローン 無料使えない 有料Starter から順に解禁 学習利用の停止 無料設定から自分で切る 有料設定から自分で切る 出典: ElevenLabs 利用規約・ヘルプセンター
無料と有料で変わるのは料金だけではないElevenLabs 利用規約およびヘルプセンターの記載をもとに作成

声を複製する条件は、創作でも緩まない

ElevenLabs の禁止用途ポリシーのページ
声の複製について、同意か法的な権利のどちらかを求めている出典:ElevenLabs Prohibited Use Policy(2026年9月1日 取得)

ElevenLabs の看板機能は音声クローンです。ここには禁止用途ポリシーの側から条件がかかっています。そして、この条件にはフィクションの例外が効きません。ここが、他社の利用ポリシーと読み比べたときに一番はっきり違う場所です。

本人の同意か、法的な権利が要る

creating or using ElevenLabs audio output to intentionally replicate the voice of another person: without consent or legal right

同意または法的権利なく、他人の声を意図的に複製する目的で ElevenLabs の音声出力を作成・使用すること。

ElevenLabs Prohibited Use Policy, Section 5(a) — elevenlabs.io/use-policy

利用規約の側にも、入力する素材について必要な権利をすべて持っていることを求める条項があります。手元にある音声ファイルというだけでは足りません。誰の声で、どういう約束のもとに録られたものかを、自分で説明できる状態にしておく必要があります。

フィクションの例外は、声の複製には効かない

禁止用途ポリシーには、フィクションを例外扱いする注記があります。ただし、その注記が付いているのは暴力的・差別的な表現を扱う条項のほうです。

This section does not apply to activity in purely fictional contexts (e.g. violent speech by a character in a book, video game or movie)

本セクションは、純粋に架空の文脈における行為には適用されない(書籍・ビデオゲーム・映画の登場人物による暴力的な発言など)。

ElevenLabs Prohibited Use Policy, Section 8 の注記 — elevenlabs.io/use-policy

この例外は、声の複製を扱う第5条には掛かっていません。つまり「架空の作品の中でのことだから」という理由で、他人の声を無断で複製してよいことにはならない、という読み方になります。作品の中か外かではなく、声の持ち主の同意があるかどうかで線が引かれています。

成人向けの扱いは、名指しされている範囲が狭い

禁止用途ポリシーで性的な内容として明確に禁じられているのは、未成年が関わる性的表現です。成人どうしの一般的な性的表現については、ポリシー本文に明示の禁止規定を見つけられませんでした。

これは「認められている」という意味ではありません。書かれていないだけで、別の文書や個別の判断が存在する可能性は残ります。ここでは、確認できた範囲の記述をそのまま置きます。書かれていない部分を、こちらの側で埋めることはしません。

声のクローンは2種類ある。手軽なほうと、本人確認が要るほう

ElevenLabs の音声クローン機能の紹介ページ
インスタントとプロフェッショナルで、必要な素材の量も本人確認の有無も違う出典:ElevenLabs 音声クローン(2026年9月1日 取得)

前の節で見た同意の要件は、規約に書いてあるだけではありません。上位のクローン機能では、本人確認の手続きとして製品の側に組み込まれています。2種類あるクローンの違いは、素材の量と品質だけではなく、この手続きの有無にあります。

インスタント音声クローンは1〜2分の素材で作れる

インスタント音声クローンは、公式ドキュメントによると1〜2分ぶんの良好な音声があれば作成できます。処理は即時で、待ち時間はほぼありません。Starter プラン以上で使えます。

手軽な代わりに、仕組み上の限界も明記されています。学習済みの知識に頼って再現するため、特徴の強い声や珍しいアクセントは苦手とされています。標準的な話し方に近いほど、結果は安定します。

プロフェッショナル音声クローンは30〜180分と本人確認が要る

もう一方は要求が跳ね上がります。必要な素材は30〜180分、作成には3〜6時間かかり、場合によってはそれ以上と書かれています。Creator プラン以上で使えます。

そのぶん品質は上がり、公式ドキュメントは「元の声とほぼ区別がつかない」と表現しています。ただし、対応言語はインスタント版より狭く、Flash v2.5 が扱える39言語に限られます。

本人確認は、マイクで読み上げて照合する

プロフェッショナル音声クローンには本人確認が必須です。手続きは、マイクで検証用のテキストを読み上げ、登録しようとしている音声と照合する形です。

ここが、この記事で一番押さえておきたい点かもしれません。「同意または法的権利が必要」という規約上の要件が、機能の側では「その場で読み上げられること」に置き換えられています。手元に音源があるだけでは通りません。声の持ち主がその場にいて、マイクに向かって読み上げられる状態が要ります。

2種類のクローンの違い

項目 インスタント音声クローン プロフェッショナル音声クローン
使えるプラン Starter 以上 Creator 以上
必要な素材 1〜2分 30〜180分
作成にかかる時間 即時 3〜6時間(それ以上のことも)
品質 標準的な声で安定 元の声とほぼ区別がつかない
本人確認 記載なし 必須(マイクで読み上げて照合)
対応言語 Flash v2.5 と Multilingual v2 の対応言語 Flash v2.5 の対応言語(39言語)

他人の声を高い精度で複製する経路には、本人がその場にいないと越えられない関門が置かれている、という設計です。手軽なほうを選べば関門は無いかわりに、品質が上がりきりません。この非対称は、意図して作られたものと読めます。

生成した音声は誰のものか —— 他社の規約と並べる

生成物の権利について、ElevenLabs は利用者に残ると明記していました。これは当たり前の書き方ではありません。同じ問いに、正反対の答えを書いているサービスもあります。

権利を運営側に寄せている規約もある

日本語の音声合成サービス CoeFont が提供する maker サービスの利用規約には、次の条項があります。

本サービスを利用した作成された音声合成データについて生じる知的財産権等は全て当社に帰属するものとし

CoeFont maker 利用規約 第2条2項 — coefont.cloud/maker/terms

同じ規約は利用範囲も個人利用に限っており、商用利用と、音声合成データを使って利益を得る行為を禁止事項に挙げています。

この対比をどう読むか

この2つを単純な優劣として並べるのは正確ではありません。引用した CoeFont の規約は maker という特定のサービスに対するもので、同社の他のサービスに同じ条項が適用されるとは限りません。ここで示したいのは、どちらが良いかではなく、「生成した音声は誰のものか」という同じ問いに、書かれている答えが正反対になりうるという事実のほうです。

音声合成の比較記事では、声の自然さと料金が中心に置かれます。生成物の権利がどちらに帰属するかを、条項の番号まで当たって比べている記事はほとんど見かけません。仕事で使うなら、この項目は音の好みより先に確認する価値があります。

契約前に読んでおきたい項目

  • 生成物の知的財産権が、利用者と運営のどちらに帰属すると書かれているか
  • 商用利用が、プランではなく規約そのもので禁じられていないか
  • クレジット表記の義務があるか。あるなら表記する場所まで指定されているか
  • 他人の声を扱う場合の同意要件と、その確認方法
  • 入力データの学習利用を止める手段が用意されているか

学習に使わせない設定は、契約ではなく画面で切る

入力した音声やテキストがモデルの改善に使われるかどうかは、規約の側で「使うことがある」と書かれています。そのうえで、停止する手段も同じ規約に書かれています。

you may opt out of our use of your Content for training at any time by navigating to the "Data use" menu

利用者は「Data use」メニューから、いつでも自身のコンテンツの学習利用を停止できる。

ElevenLabs Terms of Service, Section 4(i) — elevenlabs.io/terms-of-use

初期状態で切れているわけではありません。クライアントの原稿や、公開前の企画の音声を通すなら、アカウントを作った直後にこの設定を見に行くのが順番として正しくなります。あとから切っても、それまでに通したぶんが戻るとは書かれていません。

料金は分数ではなくクレジットで決まる

ElevenLabs の料金ページ。Free・Starter・Creator・Pro のプランが並んでいる
料金ページ。Creator に初月50%引きの表示が出ている時点の画面出典:ElevenLabs 料金ページ(2026年9月1日 取得)

ここから料金の話に入ります。ElevenLabs の課金単位はクレジットで、分数は目安として併記されているだけです。この2つの数字の関係を押さえると、プランの選び方が単純になります。

プラン別の実額とクレジット

2026年9月時点の料金表は次のとおりです。年払いの列は、月あたりに換算した額です。

プラン 月払い 年払い(月換算) クレジット 音声の目安 商用ライセンス
Free $0 10,000 約10分 なし
Starter $6 $5 30,000 約30分 あり
Creator $22 $18.33 121,000 約121分 あり
Pro $99 $82.50 600,000 約600分 あり
Scale $299 $249.17 1,800,000 約1,800分 あり
Business $990 $825 6,000,000 約6,000分 あり
Enterprise 個別見積もり 個別 個別 あり

Creator には初月50%割引の表示があり、1か月目だけ $11 になります。継続する場合の実額は $22 です。Scale は3席、Business は10席が含まれます。

クレジットと分数は1,000対1で揃っている

表を縦に見ると、クレジット数と分数の目安がきれいに対応しています。全プランで、1,000クレジットがおよそ1分です。10,000クレジットで約10分、6,000,000クレジットで約6,000分と、比率が崩れていません。

この関係が分かると、必要量の見積もりが暗算でできるようになります。台本が10分ぶんなら1万クレジット、1時間の朗読なら6万クレジット、という具合です。クレジットという見慣れない単位に戸惑う必要は、実のところありません。

1,000クレジットあたりの単価は Pro で下げ止まる

ここからが、料金表をそのまま眺めていても出てこない部分です。各プランの月額をクレジット数で割って、1,000クレジットあたりの単価を出しました。

1,000クレジットあたりの単価(USD) 濃い色=月払い / 薄い色=年払い(月換算) 0.20 0.15 0.10 0.05 0 Starter .200.167 Creator .182.152 Pro .165.138 Scale .166.138 Business .165.138 月額 ÷ クレジット数で算出。Free は商用ライセンスが無いため対象外。2026年9月時点の公開料金による
Pro から先は、単価がほぼ横ばいになるElevenLabs 公開料金をもとに独自に算出
1,000クレジットの単価(USD) 上=月払い / 下=年払い(月換算) Starter .200 .167 Creator .182 .152 Pro .165 .138 Scale .166 .138 Business .165 .138 月額 ÷ クレジット数で算出 Free は商用ライセンスが無いため対象外
Pro から先は、単価がほぼ横ばいになるElevenLabs 公開料金をもとに独自に算出

数字にすると、月払いで Starter が $0.200、Creator が $0.182、Pro が $0.165、Scale が $0.166、Business が $0.165 です。Pro を境に、単価はそれ以上下がりません。Scale にいたっては、Pro よりわずかに高くなっています。

この結果から言えること

  • 単価だけを見るなら、Pro より上に上げる意味は無い
  • Scale と Business を選ぶ理由は、安さではなく席数と絶対量にある
  • Starter から Creator への移行は、単価が9%下がるので量が増えるほど有利になる
  • 個人が使う範囲では、Creator と Pro のあいだに大きな段差がある

料金表は上のプランほど得に見えるように並んでいますが、クレジット単価という物差しを当てると、その印象は途中で止まります。チームで使うかどうかが、Pro より上を選ぶかどうかの実質的な分かれ目になります。

Scale が Pro より高いのは、クレジット以外の枠が広がるから

単価が Pro で下げ止まるという結果には、続きがあります。上位プランで増えるのはクレジットだけではありません。同時に処理できるリクエストの本数と、順番待ちの優先度も一緒に上がります。ここは料金ページには出てこず、開発者向けの文書のほうに書かれています。

プラン 同時実行(Multilingual v2) 同時実行(Flash 系) 同時実行(文字起こし) 優先度
Free 2 4 8 3
Starter 3 6 12 4
Creator 5 10 20 5
Pro 10 20 40 5
Scale 15 30 60 5
Business 15 30 60 5

Free から Scale まで、同時実行の枠はちょうど7.5倍になります。優先度のほうは Creator で上限に届き、そこから先は Enterprise まで動きません。つまり Creator 以上では、待ち時間ではなく本数で差が付く構造です。

ここまで並べると、単価が Pro で下げ止まる理由が見えます。Scale で買っているのはクレジットの安さではなく、同時に流せる本数です。1本ずつ順番に作る使い方なら Pro から上げる意味は薄く、複数の原稿を並行して回す使い方であれば Scale の枠が効いてきます。

同時実行の枠が効いてくる使い方

  • 複数話者の台本を、話者ごとに並行して生成する
  • 動画の各シーンを分割して、同時に音声を当てる
  • 問い合わせ応対で、複数の通話を同時に処理する
  • まとめて文字起こしをかける。ここは枠が音声合成の4倍ある

逆に、1本の原稿を順番に作っていく使い方では、同時実行の枠はまったく使われません。その場合に効くのはクレジット数だけなので、単価が下げ止まる Pro が上限になります。

クレジットが尽きたあとの扱いは、契約した時期で違う

月の途中でクレジットが尽きたときの選択肢は、契約した時期によって変わります。現在のセルフサーブ契約では Pay As You Go という前払いの仕組みが用意されていて、Free を含むすべての階層で使えます。

PAYG Top Ups are available to all self-serve tiers, including free, Starter, Creator, Pro, Scale, and Business.

Pay As You Go の追加購入は、Free・Starter・Creator・Pro・Scale・Business を含むすべてのセルフサーブ階層で利用できます。

ElevenLabs Documentation「Pay As You Go」 — elevenlabs.io

この前払いぶんには、月ごとの繰り越し上限がありません。ただし購入から12か月で失効します。残高は使い切らないと消えるので、まとめ買いのしすぎは損になります。

自動で追加するように設定した場合は、決済が失敗したときにサービスが止まらないよう、5米ドルの最低残高を保つよう求められます。

古い契約のままの場合は扱いが違います。旧 Starter プランでは追加購入ができず、次の請求サイクルで月間クレジットが戻るのを待つか、上位プランへ即時変更するかの二択になります。旧 Creator 以上では従量課金を有効にでき、こちらは超過分を後払いする形です。超過が月額の2倍を超えた時点で、その場で請求されます。

年払いの割引率は全プランで同じだった

年払いの割引についても計算しました。Starter から Business まで、割引率はすべて16.7%で一致しています。これは12か月ぶんを10か月ぶんの額で払う計算と一致します。

検算すると分かりやすくなります。Business の年払いは月換算 $825 なので、12か月で $9,900。月払いの $990 の10か月ぶんと同額です。どのプランを選んでも「2か月ぶん無料」という同じ条件で、プランによる有利不利はありません。

用途別に、必要なクレジットを見積もる

1分あたり1,000クレジットという対応が分かっているので、月にどれだけ要るかは掛け算で出ます。代表的な使い方で計算すると、必要なプランがはっきりします。

使い方 月の分量 必要クレジット 足りるプラン Flash v2.5 なら
週1本・10分の解説動画 約40分 約40,000 Creator Starter でも届く
毎日・3分のニュース読み上げ 約90分 約90,000 Creator Creator に余裕
週5本・1分の広告ナレーション 約20分 約20,000 Starter Starter に余裕
10時間ぶんのオーディオブック 600分 約600,000 Pro Creator では届かない
問い合わせ応対の音声を常時生成 1,500分 約1,500,000 Scale Pro で収まる場合がある

この表で効いてくるのが、右端の列です。Flash v2.5 は消費が半分なので、同じ作業量でもプランを1段下げられる場面があります。週1本の解説動画なら、Creator ではなく Starter で足ります。月額の差は16ドル、年間で192ドルです。

やり直しのぶんを見込む必要もあります。実際には見積もりの2割から3割増しで考えておくと、月末に足りなくなる事態を避けられます。読み方の確認を短文で済ませる習慣があれば、この上乗せは小さくできます。

音声クローンが解禁される段階

クローン機能は、プランによって使える種類が変わります。段階は3つです。

機能が解禁される段階 Free 試用のみ Starter 商用ライセンス インスタント クローン $6 / 月 Creator +プロフェッショナル 音声クローン 121,000 クレジット $22 / 月 Pro 以上 機能は Creator と同じ 増えるのは量・席数・同時実行 単価はここで 下げ止まる $99 〜 / 月
クローン機能は Creator で出そろうElevenLabs 公開料金の記載をもとに作成
機能が解禁される段階 Free 試用のみ Starter 商用ライセンス インスタント音声クローン $6 / 月 Creator +プロフェッショナル音声クローン 121,000クレジット $22 / 月 Pro 以上 機能は Creator と同じ 増えるのは量・席数・同時実行 $99 〜 / 月 単価は Pro で下げ止まる
クローン機能は Creator で出そろうElevenLabs 公開料金の記載をもとに作成

インスタント音声クローンは Starter から、プロフェッショナル音声クローンは Creator から使えます。Pro 以上に上げても、使える機能の種類そのものは増えません。増えるのは量と席数です。

モデルの選び方で、速さもクレジット消費も変わる

ElevenLabs のモデル一覧ページ。Eleven v3 が5,000字、Multilingual v2 が10,000字、Flash v2.5 が40,000字と書かれている
1回に送れる文字数の上限は、公式のモデル一覧に書いてある出典:ElevenLabs Documentation Models(2026年9月1日 取得)

ElevenLabs は用途別に複数のモデルを持っています。どれを選ぶかで、クレジットの減り方が倍違います。ここを知らずに使うと、月の途中でクレジットが尽きます。

音声合成に使えるモデル

モデル 向いている用途 対応言語 日本語 レイテンシ クレジット消費
Eleven v3 感情表現、キャラクター、朗読 70以上 対応 記載なし 通常
Eleven v3 Conversational リアルタイムの対話、応対 70以上 対応 約280ms 通常
Eleven Multilingual v2 品質重視のナレーション 29 対応 記載なし 通常
Eleven Flash v2.5 大量処理、低遅延の用途 32 対応 約75ms 半分

Flash v2.5 はクレジットが半分になる

表の右端が実務では効いてきます。Eleven Flash v2.5 はクレジット消費が50%で、同じクレジット数から倍の長さを作れます。Creator の121,000クレジットは、通常モデルなら約121分、Flash なら約242分ぶんに相当する計算です。

レイテンシも約75msと、v3 Conversational の約280msより短くなっています。速くて安いほうが、表現の幅では譲るという関係です。感情の起伏を作りたい朗読やキャラクターの声には v3、量をさばく用途には Flash、という選び分けになります。

用途からモデルを選ぶときの目安

  • 朗読・キャラクターの演技を作るなら Eleven v3
  • 問い合わせ応対など、会話の間を詰めたいなら Eleven v3 Conversational
  • 本数が多く、1本あたりは短いなら Eleven Flash v2.5(消費が半分)
  • これまでの資産と声を揃えたいなら Eleven Multilingual v2

1回に送れる文字数は、モデルによって8倍違う

もう1つ、モデルを決める前に見ておきたい数字があります。1回のリクエストで渡せる文字数の上限が、モデルごとに大きく違います。

モデル 1回あたりの文字数の上限
Eleven v3 5,000字
Eleven Multilingual v2 10,000字
Eleven Flash v2 30,000字
Eleven Flash v2.5 40,000字

いちばん表現が豊かな Eleven v3 が、いちばん短いところで区切られます。5,000字は日本語なら原稿用紙12枚半ほどで、長編の朗読を1回で通すことはできません。分けて生成し、あとでつなぐ工程が要ります。

逆に Flash v2.5 は40,000字まで一度に通せます。消費が半分で、同時に流せる本数も倍で、1回に送れる量も8倍。量をさばく用途では、この3つが同じ方向に効きます。

つなぎ目のことも考えておくと安全です。文の途中で切ると、前後で読み方の調子が変わることがあります。段落や話者の切り替わりで区切ると、つないだときに違和感が出にくくなります。

文字起こしと音楽のモデル

音声合成のほかに、文字起こしの Scribe v2 と、音楽生成の Eleven Music v2 があります。Scribe v2 は90以上の言語に対応し、リアルタイム版のレイテンシは約150msです。Eleven Music で作った楽曲を配布する場合は、前述のとおり「Eleven Music」への言及が求められます。音声とは表記の条件が別なので、混同しないよう気をつけたいところです。

文字起こしの対応言語が90以上で、音声合成の70以上より広いのも特徴です。聞き取れる言語のほうが、話せる言語より多いという構成になっています。多言語の会議録を取る用途では、この差が効いてきます。

1つの契約で音声・文字起こし・音楽が使える

これらは別料金ではなく、同じクレジットから消費されます。用途ごとに別のサービスを契約せずに済むのは、実務では地味に大きい利点です。請求先が1つにまとまり、権利関係の確認も1つの規約を読めば済みます。

一方で、機能が増えるほど、どの機能がベータ扱いなのかを把握しにくくなります。商用ライセンスの対象外になるのはベータ機能なので、新しい機能を使う前に、その表示を確かめる習慣を持っておくのが安全です。

動画の吹き替えは、声の特徴を残したまま置き換える

ElevenLabs の吹き替え機能の紹介ページ
吹き替えの対応言語は音声合成より広い出典:ElevenLabs Dubbing(2026年9月1日 取得)

音声合成と並んで使われているのが吹き替え機能です。翻訳して読み上げ直すのではなく、元の話者の声の特徴を保ったまま別の言語に置き換えます。対応言語は90以上で、音声合成の70以上より広く取られています。

ファイルでもURLでも読み込める

入力は2通りあります。手元の動画・音声ファイルをアップロードする方法と、YouTube や TikTok などのURLを貼る方法です。手元にファイルが無くても着手できるのは、実務では便利な部分です。

受け付けるファイル形式

  • 音声は AAC、AIFF、FLAC、M4A、MP3、OGA、OGG、OPUS、WAV、WEBA
  • 動画は AVI、M4V、MKV、MOV、MP4、MPEG、MPG、WEBM、WMV、3GPP
  • URL の貼り付けにも対応する

元の声にどこまで似せるかを調整できる

詳細設定に speaker similarity という項目があり、吹き替えた声を元の話者にどれだけ近づけるかを制御できます。似せすぎると不自然になる場面もあるため、素材によって振り直せるようになっています。

話者の検出も備えています。複数人が話している素材でも、それぞれを拾って処理する設計です。ただし、話者ごとに完全に分離できるかどうかまでは、ドキュメントに明記されていません。ここは実際の素材で試してから判断する部分になります。

上限は2GB・180分

Dubbing v2 を使う場合、ファイルサイズ2GB、長さ180分が上限と記載されています。長編の映像を丸ごと1回で通すことはできません。分割して処理する前提で段取りを組む必要があります。

クレジットの消費は、使うモデル・尺の長さ・翻訳先の言語数で変わると書かれており、具体的な計算式は公開されていません。音声合成のように「1分=1,000クレジット」で見積もれる部分ではないため、少量で試して実測するのが確実です。

会話AIエージェントは4つの部品でできている

ElevenLabs の会話AIエージェントの紹介ページ
エージェントは音声合成だけでなく、文字起こしと応答生成も組み合わせる出典:ElevenLabs Conversational AI(2026年9月1日 取得)

ElevenLabs は音声合成の会社として知られていますが、会話するAIエージェントを組み立てる基盤も提供しています。音声を出すところだけでなく、聞き取りと受け答えまで含めた一式です。

構成する部品

公式ドキュメントは、4つの中核部品からなると説明しています。

エージェントを構成する要素

  • 音声認識のために調整されたモデル
  • 利用者が選ぶ大規模言語モデル。自前のモデルを持ち込むこともできる
  • 5,000以上の音声と70以上の言語に対応する、低遅延の音声合成モデル
  • 会話の間の取り方を扱う、独自のターンテイキングモデル

4番目が目を引きます。いつ話しはじめ、いつ黙るかを扱う部分が、独立した部品として置かれています。音声の対話では、言葉の内容より間の取り方のほうが不自然さに直結します。そこを専用に扱う設計になっているのは、音声を本業にしてきた会社らしい組み立て方です。

電話につなげられる

SIPトランク接続、Twilio との連携、発信の一括処理に対応しています。ブラウザの中だけで完結する仕組みではなく、実際の電話回線に載せられる形になっています。問い合わせ応対の自動化を検討する場合、この部分が実装量を大きく左右します。

使える言語モデルについては、対応モデルから選ぶか自前のものを持ち込めるとだけ書かれており、具体的なモデル名は記載されていません。採用を検討する段階では、ここは直接問い合わせて確認する項目になります。

エージェントで使う場合の規約上の注意

エージェントの音声に、実在する人物の声を使いたくなる場面があります。ここにも、これまで見てきた同意の要件がそのまま掛かります。社内の誰かの声を受付に使う場合でも、本人の同意は必要です。プロフェッショナル音声クローンを使うなら、本人がマイクの前で読み上げる手続きも発生します。

日本語で使うときに引っかかりやすいところ

ElevenLabs の音声合成機能の紹介ページ
日本語はどのモデルでも扱えるが、読み方は原稿を通すまで分からない出典:ElevenLabs Text to Speech(2026年9月1日 取得)

主要なモデルはいずれも日本語を扱えます。ただし、対応言語数はモデルごとに違い、その差が思わぬところで効いてきます。

モデルごとに対応言語数が違う

Eleven v3 と v3 Conversational は70以上、Flash v2.5 は32、Multilingual v2 は29です。日本語はいずれのモデルでも扱えますが、多言語で展開する場合は、選んだモデルの対応範囲がそのまま展開できる範囲になります。

プロフェッショナル音声クローンは使えるモデルが限られる

ここが見落とされやすい点です。公式ドキュメントによると、プロフェッショナル音声クローンが対応するのは Flash v2.5 の対応言語(39言語)です。インスタント音声クローンのほうは、Flash v2.5 と Multilingual v2 の両方の対応言語を扱えます。

つまり、時間をかけて最高品質のクローンを作ると、そのぶん使えるモデルの範囲が狭くなります。30〜180分の素材を集めて3〜6時間かけたあとで、使いたいモデルで動かないと分かるのは避けたい展開です。作りはじめる前に、本番で使うモデルを決めておくのが順番として正しくなります。

固有名詞と数字は先に確かめる

日本語では、同じ表記でも読み方が複数ある語が珍しくありません。人名、地名、社名、単位の付いた数字。これらは原稿を通してみるまで、どう読まれるか分かりません。

やり直しはクレジットを消費します。10分の原稿を作り直せば1万クレジットで、Starter の月間クレジットの3分の1が消えます。不安な語だけを1行にまとめて先に通せば、数百クレジットで済みます。この一手間で、月末のクレジット不足はかなり防げます。

先に通しておきたい語の例

  • 登場する人名・社名・サービス名。とくに読みが割れるもの
  • 「一人」「一日」のように、文脈で読みが変わる語
  • 単位付きの数字。「3人」「3個」「3日」など
  • アルファベットの略語。読み上げるのか、綴りを読むのか
  • 英語と日本語が混ざる語句

無料プランの正しい使い方

ここまで無料プランの制限を並べてきましたが、無料プランが無意味だという話ではありません。制限の内容を踏まえると、向いている使い道がはっきりします。

公開しない前提なら、制限はほぼ効かない

商用利用の禁止も帰属表示の義務も、公開したときにはじめて問題になります。社内で企画を通すための試作、声の系統を選ぶための比較、原稿の読み上がりを確かめる作業。これらは公開を伴わないので、10分ぶんのクレジットでも十分に回せます。

試すべきことを先に決めておく

10分は、漫然と触っていると数回の生成で消えます。何を確かめたいのかを先に決めてから使うと、判断に必要な材料が揃います。

無料枠のうちに確かめておきたいこと

  • 自分の原稿に出てくる固有名詞が、正しく読まれるか
  • 数字や単位の読み上げが、意図した形になるか
  • 使いたい声の系統が、音声ライブラリに存在するか
  • Eleven v3 と Flash v2.5 で、品質の差が用途に響くかどうか

4つ目が特に重要です。Flash v2.5 で十分だと分かれば、契約するプランを1段下げられます。無料枠を使って有料の判断をするなら、ここを確かめておくのが一番割に合います。

使いはじめの手順

アカウントを作ってから最初の音声を出すまでは、数分で終わります。ただし、途中に1つだけ、後回しにすると面倒になる設定があります。

最初に済ませておくこと

  1. 公式サイトからアカウントを作る。メールアドレスまたは外部アカウントで登録できる
  2. 設定の「Data use」を開き、学習利用を停止する。ここを最初にやる
  3. 公開する予定があるなら、この時点で有料プランに切り替える
  4. 言語と用途に合わせてモデルを選ぶ。日本語はいずれのモデルでも扱える
  5. 音声ライブラリから声を選ぶか、自分の声を登録する
  6. テキストを貼り、短い一文で試してから本番の原稿を通す
  7. 書き出したファイルの用途が、契約しているプランの範囲に収まっているか確かめる

2番目を先にやる理由は単純です。学習利用の停止は、それ以降に通したぶんにしか効きません。試しに通した原稿が仕事のものだった、という事故は、順番を変えるだけで防げます。

短い一文で試す理由

いきなり長文を通すと、読み方が気に入らなかったときにクレジットを丸ごと捨てることになります。1,000クレジットが約1分ですから、10分の原稿を作り直せば1万クレジットが消えます。Starter の月間クレジットの3分の1です。

固有名詞や数字の読み方は、日本語では特に揺れやすい部分です。原稿の中で読みが不安な箇所だけを先に抜き出して確認しておくと、やり直しの回数が目に見えて減ります。

向いている使い方と、向いていない使い方

ここまでの条件を踏まえると、得意な場面とそうでない場面がはっきりします。

向いている場面

  • 自分の声、または権利関係が明確な声を使ったナレーション制作
  • 本数が多く、1本が短い動画の音声。Flash v2.5 で消費を抑えられる
  • 多言語で同じ内容を配信する用途。70以上の言語を1つの契約で扱える
  • 生成物の権利の所在を、契約書の形で説明する必要がある仕事

向いていない場面

  • 無料のまま公開物を作りたい場合。商用不可のうえ、タイトルへの表記が要る
  • 権利関係を確認できない音源から声を作りたい場合。同意か法的権利が要件になっている
  • 月の使用量が読めないまま、上位プランで安くしようとする場合。Pro より上は単価が下がらない
  • ベータ機能を業務の中心に据える場合。商用ライセンスの対象外になる

4つとも、声の品質とは関係のない理由です。ElevenLabs でつまずくとしたら、音の良し悪しではなく契約条件の側から来ます。裏を返せば、条件さえ最初に押さえてしまえば、あとは素直に使える道具です。

よくある質問

無料プランで作った音声を YouTube に上げてもいいですか?

広告収益が発生しない、完全に非商用の投稿であれば、規約上は非商用利用の範囲に入ります。ただしタイトルに「elevenlabs.io」または「11.ai」を含める必要があります。収益化しているチャンネルであれば、有料プランに切り替えるのが確実です。

解約したあと、それまでに作った音声は使い続けられますか?

有料プランの契約期間中に生成したものは、その後も商用利用を続けられる旨がヘルプセンターに記載されています。ベータ機能を使っていないことが条件です。解約前に、どの機能で作ったファイルなのかを整理しておくと安全です。

自分以外の人の声を登録したい場合は何が必要ですか?

本人の同意、または法的な権利が必要です。禁止用途ポリシーが、同意も権利もない複製を明確に禁じています。作品の中の架空の設定であっても、この条件は外れません。フィクションを例外とする注記は、暴力的・差別的な表現を扱う条項に付いたもので、声の複製の条項には掛かっていません。

日本語の品質はどうですか?

主要なモデルはいずれも日本語に対応しており、Eleven v3 と v3 Conversational は70以上、Flash v2.5 は32の言語を扱えます。固有名詞や数字の読み上げには揺れが出ることがあるため、本番の原稿を通す前に短文で確認する運用が現実的です。

クレジットが月内に足りなくなったらどうなりますか?

現在のセルフサーブ契約であれば、Pay As You Go で前払いのクレジットを買い足せます。Free を含む全階層で使えて、購入したぶんは12か月で失効します。旧 Starter プランのままの場合は追加購入ができないため、次の請求サイクルを待つか、上位プランへ即時変更するかになります。

買い足す前に試す価値があるのが、モデルの切り替えです。Eleven Flash v2.5 は消費が半分になるため、同じクレジット数で倍の長さを生成できます。品質より本数が優先される用途であれば、プランを上げるより先に検討する価値があります。

年払いはどのくらい安くなりますか?

Starter から Business まで、いずれも16.7%の割引です。12か月ぶんを10か月ぶんの額で支払う計算にあたります。プランによって割引率が変わることはないため、年払いにするかどうかは金額ではなく、使い続ける見通しがあるかどうかで決めることになります。

音声クローンを作るのに、本人が立ち会う必要はありますか?

プロフェッショナル音声クローンでは必要です。マイクで検証用のテキストを読み上げ、登録する音声と照合する手続きがあります。録音済みの素材だけでは完了しません。インスタント音声クローンにはこの手続きの記載がなく、1〜2分ぶんの音声から即座に作れます。

プロフェッショナル音声クローンには、どのくらい素材が要りますか?

公式ドキュメントでは30〜180分と示されています。作成には3〜6時間、場合によってはそれ以上かかると書かれています。思い立って当日中に仕上げる類の作業ではありません。納期のある仕事で使うなら、素材の準備を含めて日程に組み込んでおく必要があります。

Creator と Pro のどちらを選べばいいですか?

使える機能の種類は同じで、違うのは量です。月に121分を超えるかどうかが分かれ目になります。10時間ぶんのオーディオブックのように600分規模の制作があるなら Pro、月に数本の動画であれば Creator で足ります。Flash v2.5 を使えば消費が半分になるため、境目はさらに上にずれます。

生成した音声の権利はどうなりますか?

利用規約に、利用者が生成物に関するすべての権利を保持すると明記されています。音声合成サービスの規約には、生成物の権利を運営側に帰属させると書いているものもあるため、ここは確認しておく価値のある違いです。

まとめ

ElevenLabs は、声そのものの評価より先に、使ってよい範囲を確かめてから触りはじめるべき道具です。無料プランは商用不可でタイトルへの表記が要り、声の複製には同意か法的権利が要り、学習利用は自分で切る必要があります。

料金については、公開されている数字を割り算するだけで見えてくることがありました。1,000クレジットあたりの単価は Pro で下げ止まり、それより上のプランは安さではなく席数と量のために存在します。年払いの割引率は全プラン一律の16.7%で、選択に有利不利はありません。クレジットと分数は1,000対1で対応しているため、必要量の見積もりは暗算で足ります。

声を複製する機能についても、規約と製品が噛み合っていました。同意を求める条項は、プロフェッショナル音声クローンの本人確認として実装されています。その場でマイクに向かって読み上げられる人しか登録できない、という形です。手軽なインスタント音声クローンにはこの関門がないかわりに、品質が上がりきりません。

判断の順番

導入を検討するなら、確かめる順番があります。音の良し悪しは最後で構いません。先に条件を潰したほうが、やり直しが減ります。

契約前に順番どおり確かめる

  1. 作ったものを公開するのかどうか。公開するなら無料プランは選択肢から外れる
  2. 他人の声を使うのかどうか。使うなら同意と、本人確認に応じてもらえるかを先に確かめる
  3. 月にどれだけ生成するか。1分1,000クレジットで計算する
  4. Flash v2.5 で足りるかどうか。足りればプランを1段下げられる
  5. 学習利用を止める設定を、最初の生成より前に切っておく
  6. ここまで済ませてから、声の系統を選ぶ

公開を前提にするなら、無料枠で迷う時間よりも、月6ドルの Starter に上げてしまうほうが早いというのが、条件を並べたあとの結論になります。無料枠は、公開しない検証にあてるのが一番割に合います。

ElevenLabs の公式サイト

出典

参照した一次情報

本文中の単価・割引率・クレジットと分数の対応は、上記の公開情報をもとに当編集部で算出したものです。料金と機能は変更されることがあります。契約前に公式ページで最新の記載を確認してください。

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